hop ラガービール醸造について hop

冬はラガービールを造る最高の季節です

華やかでフルーティな味わいのエールに対し、ラガーはクリアですっきりとした、癖のない味わいが特徴です。
(発酵容器を10℃以下に冷却する設備を持たない)ほとんどのホームブルワーにとっては、冬はラガーを簡単に造ることができる唯一の季節です。この冬、ぜひラガービール醸造にトライしてみませんか? ホームブルーイングの世界が大きく広がります。


ラガービール醸造の注意点

1.発酵中のウォート温度を低く保つ

注意:上記温度は発酵容器を置く場所の室温ではなく、実際に発酵中のウォート温度です。

(詳しくはこちらをご覧ください)


2.発酵中のウォートの温度変動を小さく保つ
ラガーイーストはエールイーストに対し「ひ弱」なため、発酵中のウォートの温度変動をできるだけ小さく保つ必要があります。

温度変動が大きい場合、発酵が途中でスタック(行き詰まり)し、甘さの残ったビールになる場合があります。特に高度数のレシピでは顕著です。

3.投入するイーストの量を増やす
19リットル仕込みあたりのイースト使用量はドライエールイースト10グラムに比べ、ドライラガーイーストでは14グラム必要です。なお、高度数レシピの場合はさらに増量する必要があります。
(アドバンストブルーイングのビールキットでは予め必要な量のイーストを添付しています)

リキッドイーストを使用する場合、スタータの量を増やします。エールの場合500ml、ラガーでは1000ml以上必要です。

以下は、より美味しいラガービールを造るためのオプションです。
4.ラガーの特徴を活かし、よりクリアなビールにするために

A)一次発酵が終了したらガラス製発酵容器に移し替える(二次発酵)
Carboy(カーボーイ)と呼ばれる大きなガラス瓶に移し替え1週間程度放置することで、よりクリアなビールになります。カーボーイは個人輸入することができます。

B)ゼラチンを加え透明度の高いビールにする
二次発酵容器への移し替え、あるいはプライミング〜瓶詰め時に、製菓用ゼラチンを加えます。
ゼラチンはスーパーの製菓用品売場で入手できます。
加える量は19リットル仕込みで、大さじ1杯(15ml)程度です。
手順
1.小鍋にゼラチンを入れ、少量の水で15分くらいふやかす。
2.弱火でかき混ぜながら加熱し(沸騰させると効果が半減します)、この状態を5分ほど保つことで、煮溶かすと同時に殺菌します。
3.二次発酵容器への移し替え、あるいはプライミング〜瓶詰め時にウォートに加えます。

C)ダイアセチルレスト
ラガーイーストでは、タイプにもよりますが発酵中にダイアセチルと呼ばれる未熟臭(バタースコッチのような不快臭)が多く発生します。また、淡色系のレシピでは特に目立ちます。

ダイアセチルはイーストが発酵に伴い生成した「アセト乳酸」が熟成(後発酵)中に分解されたものです。
ダイアセチルは、さらに酵母によって還元され、臭いのない物質に変わっていくため、熟成(後発酵)期間中に、酵母を活性状態に保つことで、ダイアセチル臭を早く減らすことができます。
 具体的には、
1.主発酵を終えたら、ウォート温度を15〜20℃程度まで上げ2〜3日放置する。
2.澱引きし、他の発酵容器に移し替える、元の低温に戻し、瓶詰めする。

D)ラガーリング(低温熟成
ラガーリングをおこなうことで、雑味のないクリアな味、透明度の高いビールになります。
 具体的には、ダイアセチルレストを終えたら、他の発酵容器に移し、徐々に温度を下げていきます
(1週間で3℃位にまで温度を下げます)。その後プライミング〜瓶詰めします。


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