hop より美味しいビールを造る hop

より美味しいビールを造るための具体的な方法です。市販のモルトエキスに砂糖を加える仕込み方法(実際にはお勧めできません)をStep1(出発点)とし、Stepを進めるほど美味しいビールになります。アドバンストブルーイングのビールキットをお求めの場合はStep10からお読みください。


Step1〜Step9
アドバンストブルーイングのビールキットをお求めの場合、既にクリアしている内容です。読み飛ばして構いません。

Step1:基本的には補糖しない(プライミング以外の砂糖は加えない)
砂糖を多く加えると甘くないサイダーのようなピリピリした薄い味のビールになってしまいます。
薄い色のビールを仕込む場合に、あえて砂糖を加えることは有効ですが、この場合でもエキス重量の15%くらいまでにとどめてください。なお、薄い色のモルトエキスの中にははじめから麦芽以外の糖分が添加されているものもあります(ラベルに表示されています)。この場合は砂糖を加えることは好ましくありません。なお、ホップ添加のモルトエキスで補糖せずに仕込む場合、ホップの苦みが強くなりすぎることがありますが砂糖を多く加えるよりはbetterです。ホップ無添加のモルトエキスかドライモルトを加えることが理想です。

Step2:アロマ・フレイバーホップを使わない場合はウォートを煮込まない
ホップ添加のモルトエキスでホップを使わずに仕込む場合、ウォートの煮込みは1〜3分程度にとどめてください。長く煮込むほどホップの香りが飛んでしまいます。「長く煮込むほど不要タンパク等が沈殿するため美味しくなる」としている本がありますが、モルトエキスのみの仕込みではそれほど大差ありません。むしろホップの香りが飛んでしまうことを避けるほうが重要です。

Step3:アロマ・フレイバー用ホップを使う
ホップ添加のモルトエキスで仕込む場合でもアロマ・フレイバーホップを必ず加えてください。アロマ・フレイバー用ホップであれば種類は問いません。この場合、ウォートの煮込み時間は45分〜1時間とし、煮込み終了前15分から煮込み終了直後に14〜42グラム(19リットル仕込みの場合)加えます。専用のホップエキスでも構いません。

Step4:ビタリング用ホップを使い、好みの苦さに調整する
ホップ添加のモルトエキスで仕込む場合でも、好みに応じてビタリング用ホップを追加します。種類は問いません(アロマ・フレイバー用ホップでも構いません)。苦み抽出のため、ホップを加えた後30分〜1時間煮込んでください。

Step5:ホップ無添加のモルトエキスかドライモルトを加える
ホップ添加のモルトエキスで仕込む場合、ホップ無添加のモルトエキスかドライモルトを加えて仕込んでください。砂糖類を加える場合と異なり、コクのある美味しいビールになります。

Step6:モルトエキス缶添付のドライイーストは使わない
モルトエキスのキット缶にドライイーストがついていますが、品質が悪いものが多いため、これは使わずにとっておきます(*)。EDMEやDCL等の高品質のイーストを使ってください。明らかに味・香りが改善されます。
*:モルトエキス缶添付のドライイーストの使い道
1)万一発酵が始まらなかった場合のバックアップ用。
2)高度数ビール等の瓶詰め時に少量加えることでスムースな瓶内発酵を促します。
3)ウ゛ァイツェン等の小麦主体のビールや米を多く加えるレシピでは、ウォート中のイーストに必要な栄養分が不足しています。この栄養分を補うために栄養剤としてドライイーストを煮込み中に加えます。

Step7:アイリッシュモスを煮込み終了10分前に投入する
アイリッシュモスを煮込み終了10〜15分前にウォートに投入します。ビールの不快味の原因となる不要タンパク等の物質の沈殿を促します。

Step8:ドライイーストは予め水に戻して使う。スタータは作らない。
ドライイーストはその細胞内部に栄養素を十分蓄えた状態で乾燥保存されています。貧栄養状態で保存されているリキッドイーストと異なり、スタータを作る必要はありません(高度数のビールやウォートに対するイーストの量が少ない場合を除きます)。基本的にはウォートにドライイーストを直接振りかけても構いませんが、よりスムースに発酵を開始させるためにはイーストを「水に戻す(=水和化)」ことをお勧めします。

耐熱製ガラスコップに半分ほど水を入れ、ラップをかけて電子レンジで数分間加熱し滅菌します。加熱後、埃が入らないようにアルミホイルを素早くかけ直し、自然に冷却します(ラップでは冷却中に破れてしまいます)。コップの水の温度が35〜40℃になったら(42℃以上ではイーストが死滅してしまいます)、ドライイーストのパッケージを破り、イーストをそっと振りかけます。イーストができるだけ水上に浮いた状態を保つためです。イーストの初期増殖には酸素が必要ですが水上にイーストを浮かせておくことでイーストが酸素を取り込み易くします。埃が入らないようにコップに素早く、ラップあるいはアルミホイルをかけます。振りかけた時点でほとんどのイーストが沈んでしまった場合には、できれば念のためコップにラップをぴったりとかけ、激しく振ってイーストを加えた水を泡立てます。ここでイーストの臭いを嗅いでみます。少しですがアルコールのような甘酸っぱいイースト特有の臭いがします。10分後に容器の状態を観察します。アルコールのような甘酸っぱいイースト特有の臭いが強くなっています。さらに液面に浮かんだ薄茶色のイースト層が少し泡だったようになっ ていたら投入準備OK、ウォートに投入します。(レシピノートからの抜粋)

Step9:エアレーション
イーストをウォートに投入したら、発酵容器を密閉し5分間くらい激しく揺すってウォートを十分泡立たせます(エアレーション)。できれば30分後に再度エアレーションしてください。イーストはウォートに投入された直後から増殖を始めますが、このときに十分な酸素がないと健全な増殖ができません。発酵が途中で止まってしまい甘みの残ったビールになってしまいます。ラガーおよび高度数レシピの場合はきわめて重要です。(レシピノートから抜粋)


Step10〜
Step10:できるだけ大きな鍋を使い、ウォートを全量で煮込む
ウォートはできるだけ大きな鍋を使って全量+α(煮込みによる蒸発分)で煮込み、煮込み終了時に水を加えないことが理想です。ビールの味がかなり改善されます。
1)水を加えることによる雑菌汚染の可能性(雑菌の生存数)が著しく減少します。ちなみに、水道水雑菌生存数の基準は「1ミリリットルあたり100個以下」です。
2)ホップの抽出効率が良くなります。
3)ウォートがカラメル化しにくく、ビールに不要な色やカラメルフレイバーが付きません。
4)鍋底に焦げ付かず、強火で煮込んでも吹きこぼれにくくなります。強火で煮込むことでビールの質が向上します(後述)。 (レシピノートより一部抜粋)
なお、ウォートを全量で煮込んだ場合はウォート中の酸素が欠乏するため、Step9のエアレーションがより重要になります。

(2001.01.03 Update)
小さい鍋で煮込む場合、投入するエキスの量を減らし、薄い濃度で煮込みます。ピルスナーやドライラガー等の色の薄いビールを仕込む場合は特に重要なポイントです。

具体的には:
 ・鍋のサイズが仕込量よりも大きな場合:→最初から全てのモルトエキスを加え、煮込みます。
 ・鍋のサイズが仕込量よりも小さな場合:→大まかに、「エキス総量」×「鍋のサイズ/仕込量」のエキスを煮込みの最初に投入します。例えばエキス総量が2500g、鍋のサイズが5リットル、仕込量が10リットルの場合、煮込みの最初に鍋に投入するエキス量は、エキス総量2500gのおよそ1/2(=1250g前後)とします。残りのエキスは煮込み終了時に鍋に加え、よく撹拌して完全に溶かします。最後に水(できれば沸騰後、冷却した水)で薄め、イーストを添加します。


Step11:ウォートはできるだけ強火で蓋を開けたままで煮込む。
ウォートを煮込む際は蓋を開けたままできるだけ強火で、勢い良く循環するように煮込みます。水分を多く蒸発させることでウォート中の不快味・臭の原因となる成分が揮発し、さらに不要タンパク等の成分が沈殿凝固します(ホットブレイクと呼びます)。

Step12:煮込み後ウォートをできるだけ急速に冷却する。
ウォートを急速に冷却することで雑菌汚染の可能性を減らします。煮込み終了後からイースト投入までが雑菌汚染に対して最も注意すべき時期であり、この時期の雑菌汚染はビールの品質に大きなダメージを与えます。また、ウォートを急速に冷却することで不要タンパク等の沈殿凝固が促進され(コールドブレイクと呼びます)、雑味の少ないクリアな味・香りのビールになります。
ウォートチラーを使って冷却することを強くお勧めしますが、使わない場合はシンクに氷水をはり、鍋を浸ける等して急速冷却を心がけてください。

Step13:できるだけ低い温度で発酵させる。
エール(ドライ、リキッドイースト共)では18〜20℃、ドライラガーイーストでは13〜15℃、リキッドラガーイーストでは10℃前後)の低い温度で発酵させることにより、雑味・雑臭の少ないクリアなビールになります。例えば、19℃で発酵させたエールと22℃で発酵させたエールを飲み比べると味が異なります。

Step14:発酵中のウォート温度はできるだけ一定にする。
発酵中のウォートの温度変化はイーストにとってストレスとなります。ラガーイースト(エールに比べ脆弱です)を使用する場合や高度数ウォートの場合では、ウォートの急激な温度変化によりイーストが活動を停止したり、不快臭を発生する原因となる場合があります。

Step15:発酵終了後はあらゆる場面での空気混入を避ける。
ひとたび発酵が終了したら、ビールの移し替え、プライミング、瓶詰め等のあらゆる場面での空気混入をできるだけさけてください。ビールの酸化は「湿った段ボール」のような不快臭の原因となります。
Step16:プライミングではビールを一旦別の容器に移しかえる。
プライミングの際、ビールを一旦別の容器に移し替え(このとき発酵容器に沈殿した澱はできるだけ残します)ます。移し替えた容器内でプライミングシュガーをビールに混ぜた上で瓶詰めします。ビールの透明度が増すだけでなく、雑味の少ないクリアな味になります。

Step17:一時発酵終了後、カーボイ(大きな狭口ガラス瓶)に移し替え、二次発酵を行う
一時発酵が終了したら、ビールをカーボイに移し替え、3日から1週間の二次発酵(後発酵)を行います。効果が透明度が高く、雑味の少ないクリアなビールになります。エールを高い温度(23℃〜)で発酵させる場合は特に効果的です。逆に低温で発酵させるラガーの場合はそれほど効果はありません。

Step18:瓶詰め前に低温熟成させる。
発酵が終了したら2〜3日のダイアセチルレスト(後述)の後、ビールをカーボイに移し替え、1〜2週間程度の低温熟成に入ります。ラガー、エール共0℃前後が理想的です。低温熟成したビールは残存酵母数が減少しているため、少量のドライイーストをプライミング時に新たに加え瓶詰めします。
驚くほど透明度の高いビールになります。冬季、寒冷地では雪の中にカーボイを埋めておけばOKです。

Step19:プライミングあるいは二次発酵でゼラチンを加える。
ビールにゼラチンを加えることでより透明度が高くなります。
ビール1リットルあたり1グラム弱の粉ゼラチンを小鍋に入れ水を少量(ゼラチンが全部濡れるくらい)加えます。ゼラチンが水を吸ったら、殺菌を兼ねて80℃(沸騰させてはいけません)程度に加熱し、溶かします。この液体をプライミングシュガーと同時にビールに加え、瓶詰めします。あるいは二次発酵のためのビールの移し替え時(Step16)に加えます。(レシピノートより抜粋)

以下は後日作成します。 _0_

<予定している内容>
・プライミングにはドライモルトかモルトエキスを使う
・リキッドイーストを使う。
・ダイアセチルレスト
・低温で保存する
・熟成期間をとる


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