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Q&A |
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お客様様からいただいたビールや仕込み方法等に関する技術的なご質問と、それに対する回答を順次掲載します。
上記、技術的なご質問以外(ご意見・ご感想)についてはこちらに掲載しています。
- 基本的なビールの造りかたに関する疑問はもとより、ラガービール、乳酸発酵ビール、樽(keg)、個人輸入・・・ホームブルーイングに関することなら何でもお寄せください。
ご質問の宛先
E-mail brew@amy.hi-ho.ne.jp
(アドバンストブルーイング)
目次
Q066:ドライモルトの使用法や保存法について教えてください。(2004.05.05掲載)
Q065:ウォートを冷ました後に発酵容器に移します。 このとき、鍋の底にたまっている澱を捨てようか、入れてしまおうか、毎回迷います。ウォートを無駄にしないで澱を除く良い方法はありませんか?(2003.11.01掲載)
Q064:貴店ビールキットのレシピノート「イーストの準備」では、ドライイーストを水に戻すだけでウォートに投入するようになっていますが、砂糖は加えないのでしょうか?(2003.09.26掲載)
Q063:ワイン用スタータの作り方を教えてください。(2003.09.20掲載)
Q062:エクストラだけではなんとなく物足りませんので、ドライフルーツを入れてみようと思っております。
ドライフルーツ(リキュールに漬けたもの)を入れる場合、どのタイミングで入れるものなのでしょうか?ウオートの煮込み時でしょうか?発酵容器でしょうか?(2001.08.27掲載)
Q061:コーネリアスケグについて、
1.ケグ内の洗浄なんですが熱湯消毒とかした方がいいのでしょうか!?
2.ビールをケグに移しかえるタイミングなんですが瓶内発行の変わりにケグに詰めるんですよね!?
3.飲めるまでの期間なんですがケグ内の発酵と瓶内発酵って同じくらいなんでしょうか!?(2001.08.27掲載)
Q060:1)マッシングと煮込みをしたあとに、すぐモルトエキス投入、煮込みをしないといけないのでしょうか。どうしても深夜に仕込むので、2日間に分けて仕込めれば楽なのですが。2)マッシングにシャトルシェフを使い重宝しているのですが、その後の煮込みには利用できないでしょうか。(ぐつぐつ煮込まないとダメでしょうか)(2001.08.09掲載)
Q059:レシピでは一次発酵が終わってからあまり泡が立たない二次発酵を2〜5日すると書いてありました。2〜5日の差は何を意味するのでしょうか。ex長い方がドライになる等。また、何か瓶詰めのきっかけのようなものがありましたら教えて下さい。ex飲んで甘みがなくなっている等。(2001.08.09掲載)
Q058:2次発酵は行わずプライミングも瓶にステックシュガーを入れる方法でやってきました。これからは2次発酵だ、澱引き、プライミングシュガーの一括投入だと、容器がたくさん必要になってきました。バケツ、ポリタンク、カーボーイなどありますが、メーカーも含めて何がお勧めでしょうか?(2001.07.31掲載)
Q057:マッシング用と煮込み用のなべをフルマッシングにそなえて家中の鍋の容量をしらべてみましたが、大きなものが見当たりません。苦し紛れに、10リットルの材料で8リットルの濃度の高いウォートを作り、2リットルは水で薄める方法を考えてのですが如何ですか?(2001.07.31掲載)
Q056:エールの場合高めの設定の方がフルーティーになるようですが、フルーティーさを限界まで(他の悪影響が出ない範囲で)高めようとした場合、どのくらいの温度まで上げられますか?(2001.07.31掲載)
Q055:市販のコーラ等のPETボトルで大きいもの1リットル、1.5リットル、2リットルなどで瓶内発酵させても大丈夫でしょうか?透明瓶が主流と思いますが黒いビニール袋などで遮光すればOKでしょうか?(2001.07.31掲載)
Q054(1):ケグに入れてサーブする場合は炭酸は後から注入されたものになるのですか?(2001.07.31掲載)
Q054(2):もしそうだとすると、瓶内発酵で出来た炭酸ガスと、炭酸ガスを注入したものとの差はありますか?(2001.07.31掲載)
Q053:初心者がラガーを仕込むのは、今(10月)はまだ早くて年末頃スタートするのが温度管理的には楽なのでしょうか?(2001.07.31掲載)
Q052:是非私も御社のキットでステップアップしたいと思っております。(2001.07.31掲載)
Q052(1):エキス+スペシャルグレイン、パーシャル、フルそれぞれの特徴を活かしたビールの銘柄を教えて下さい。
Q052(2):モルトはクラッシュしたものは2週間ぐらいしか持たないと書いてありますが、ホールのものだとどのくらい保存がきくでしょうか?
Q052(3):ホールのものを家庭で簡単にクラッシュ出来るでしょうか?
Q052(4):10リットルでやりたいのですが、フルの場合は5リットルのほうが最初は無難でしょうか。ロイタータンは持っておりません。5リットルの仕込だと現実どのぐらいの歩留まりになるでしょうか。
Q052(5):もともとアルコールには強くないので、他の要素に影響が出ないのならなるべくアルコール濃度を下げたいのですが、そのようなことは可能でしょうか?邪道でしょうか?
Q052(6):同じ素材で、この時期特別な温度管理をしなかった場合、エールとラガーの酵母を変えると、どの位異なったものが出来るのでしょうか?其の差を際立たせるにはどの位の温度条件の差が必要なのでしょうか。
Q052(7):本来の高温のエールと低温のラガーに加えて高温のラガーと低温のエールの4種類を考えた場合、本来以外の組み合わせが、そもそも成り立つのか、成り立つとすると其の差はどれぐらいあるのか?
Q051:ドライホップの滓を瓶詰め時に巻き込まないコツがあったら教えてください。(2001.07.31掲載)
Q050:イーストを入れる前のウオートは、空気を含ませたほうが良いといろいろ書かれておりますが、発酵容器の中をしゃもじでバシャバシャかき混ぜるのでよいのでしょうか?またこの空気を含ませる工程は酸化という危険性は無いのでしょうか?(2001.07.31掲載)
Q049:ラガーの瓶詰の際、少量のドライイーストを入れるとありましたが、その量はどの位でしょうか。(2001.07.29掲載)
Q048:HPの実践編「より美味しいビールを造り愉しむための実践的テクニック」をみて、発酵の期間と温度の関係を自分なりにまとめましたので、これでよいのでしょうか?(2001.07.29掲載)
Q047:ドライホップが発酵液上面に浮遊しています。なるべくこのドライホップを瓶にいれない方が良いのですが、どうしても入りやすくなります。ここをどの様に解決すればよいでしょうか?(2001.07.29掲載)
Q046:次回は市販のビールに近いものの作成に挑戦しようと思っています。それは、麦百パーセントの恵比寿ビールです。どのキットを購入して、どのように調整したらよいか(スペシャルグレインとか)ご存知なら教えていただけませんか。(2001.07.09掲載)
Q045:比重を最初に計るときには、スパージングが終わった際のものについてなのか、それとも煮沸をして、ホップなどを入れた後のものを計るのかどちらでしょうか。(2001.07.09掲載)
Q044:御社より、ピンロックタイプに対応出来るケグセットアップを購入することは出来ますでしょうか。又、炭酸ガスボンベは酒屋さんで扱っているとの事ですが近所の酒屋では扱っていないとのことでした。(2001.07.09掲載)
Q043:今、第2回目の仕込みを終わり、発砲スチロールの保存箱で保冷材を入れて一時発酵中です。今度、週末の土、日に家を空けなければなりません。(2001.07.09掲載)
Q042:瓶詰めから2週間たったので試飲用の瓶を開けて飲んでみました。味はなかなかだったのですが栓を開けたとたん、泡が吹き出してきてしまい半分くらい吹きこぼれてしまいました。(2001.07.09掲載)
Q041:一次発酵を始めて2日ほどたつのですがどうも発酵が盛んに行われないようです。(2001.07.09掲載)
Q040:イーストを入れる前のウオートは、空気を含ませたほうが良いといろいろ書かれておりますが、発酵容器の中をしゃもじでバシャバシャかき混ぜるのでよいのでしょうか?またこの空気を含ませる工程は酸化という危険性は無いのでしょうか?(2001.07.08掲載)
Q039:イーストの発酵には栄養とミネラルが必要と書いてありました。私の場合、水は軟水器・浄水器を通したものを使っているのでミネラルの不足が心配です。(2001.07.04掲載)
Q038:エールの発酵をなるべく低温(19度)ですると味が良くなるという記述を拝見したのですが、これはキット缶にもあてはまるのでしょうか?
Q037:適当な入門書がありましたらご紹介ください。英語も多少は大丈夫です。
Q036:モルトエキス1.7キログラムとホップは在庫があるのでベースモルトのみを注文したいのですが、何グラムのモルトを注文したら良いのか教えてください。
Q035:仕込み終了から24時間経過、発酵の兆しがありません。/先ほどみたら元気に発酵していました。/酵母が元気であばれていてくれていますのでホッとしています。/今朝になったら醗酵がとまっていました。室温10.5℃でした。/今朝比重をはかったら1.020でした。/エアーロックはまったく動かない状態です。とりあえず半月程度様子をみることにします。/やっと安心いたしました。/昨日比重を計りましたら1.020で、半月寝かせた状態ですが進展が無い様子です。/心配していた雑菌に犯されず、今のところ良好な状態で安心しています。/心配していた雑菌に犯されず、今のところ良好な状態で安心しています。ところで手元に缶入りモルトエキスがあるのですが、パーシャルマッシングでどんなビールができるのでしょうか。/瓶の消毒方法について。
Q034:スパージングの際、お湯を少しずつ注ぐと書いてありましたが、麦汁が綺麗になった時点で、お湯を一度に注いで温度を一定に保ちながらスパージングをしてはいけないのでしょうか。
Q033:スパージングの際のロータリングは、温度が下がらないように常にマシュタンクを弱火で暖めながらする必要があるのですか。
Q032:現在、発酵はHPを参考にして作った段ボールの保温(冷)箱で行っています。今回、保冷パックを入れすぎてしまい、温度が17.9度になってしましました。今は、温度を22度位に調整しましたが、何か影響はないでしょうか。
Q031:現在、醗酵容器で醗酵中ですが、1週間ほどで別の容器で更に醗酵させたほうがよいのでしょうか?
Q030:ロイタータン用マニホルドを鍋に入れるタイミングですが、マッシュアウトの後でよいでしょうか?
Q029:おすすめのハーブビールレシピ等ありましたらお知らせください。
Q028:ザーツを31g持っています。ドライホップとして使いたいのですが、何グラム加えたらよいでしょうか?
Q027:瓶詰め後の温度管理はどのくらい気を遣うべきなんでしょうか?
Q026:コーネリアスケグの冷却について
Q025:カーボイへのラッキングの時期、カーボイのサイズ、必要な物について
Q024:加熱は出来る限り強い方がいいのでしょうか。
Q023:ペレットホップをフレイバー用に使用する場合も煮込まなくても良いでしょうか。
Q022:ペレットホップはそのままウオートに入れる様に思いそのまま投入しましたが、濾し袋等に入れた方が良いのでしょうか。
Q021:比重計は無くてもうまくいくのでしょうか?また、入手先と価格は?
Q020:ほとんど泡が立ちません。
Q019:マッシングが上手くいかず、初期比重が低くなってしまいました。
Q018:モルトエキスだけで仕込むとどうしても甘いというか、くどい感じのビールになってしまいます。どうしてでしょうか?
Q017:初期比重がレシピノートよりも高いのですがどうしてでしょうか?
Q016:シンクでウォートを冷やすと何分くらいかかりますか?
早く冷やそうと思ったらウォートチラーがあった方が良いでしょうか?
Q015:マッシュアウトは温度管理が微妙で難しく感じるのですが、省略可能ですか?
また、その場合マッシュアウトした場合に比べてどのような違いが生じるのですか?
Q014:マッシングの時間は60-90分とレシピには書いていますが、できれば長いほど良いのでしょうか?
Q013:ビン詰めが面倒なので、ケグを使ってみようと思います。技術集に以外に安価で簡単とありますが、いくらくらいかかるのですか?
Q012:1次発酵が完了してどれくらい1次発酵容器に保存しておくことが出来るのでしょうか?
Q011:ビールキット「Grand Cru」の仕込みで、コリアンダーは挽かなくても良いのでしょうか?
Q010:麦汁を回収する際に、麦芽滓を絞る必要はありますか?
Q009:マッシュ攪拌の際、空気を混入しないよう注意する方法はありますか?
Q008:モルトエキスを入れ忘れました。発酵が始まりません。
Q007:手造りビールは「市販ビールのような泡は無理」?、また「酸味がでて当然」ですか?
Q006:ドライイーストを予備発酵させる必要はありますか?また、このときレモン汁を加える必要はありますか?
Q005:発酵中に発酵容器を揺する必要はありますか?
Q004:ベースモルトとクリスタルモルトの違いは?クリスタルモルトでマッシングはできますか?
Q003:一次発酵、二次発酵、瓶内発酵、カーボネーションの違いは?
Q002:手造りビールでは食中毒の心配はありませんか?
Q001:初めはどの種類のビールから造ったら良い?
以下、本文です。
Q066:ドライモルトの使用法や保存法について教えてください。
A:モルトエキスには液体のもの(リキッドモルトエキストラクト=以下、モルトエキスと表記)と個体のもの(ドライモルトエキストラクト=以下、ドライモルトと表記)があります。
ドライモルトは基本的にはホップ無添加のモルトエキスと全く同じ、モルトエキスに含まれる概ね30%の水分を抜いて、顆粒状にしたものです。
モルトエキスには、ホップ添加のものと無添加のものがありますが、ドライモルトは製法上、ホップ添加のものはありません。
もちろん、ドライモルトとホップだけでも(モルトエキス使用レシピと同等の)美味しいビールができます。
<使用量>モルトエキス100gはドライモルト77.5gと同等、ドライモルト100gはモルトエキス129gと同等です。
具体的な使用量は「ビール造りの材料」 の缶入りモルトエキスの下、「より美味しく仕込むためのアドバイス」に掲載しています。
<保存法>加湿すると固まりやすいので、密閉して冷暗所で保存してください。一般的にモルトエキスよりも保存性が良いです。
使用上の注意:加熱中のウォートに投入すると一気に吹きこぼれることがあります。加熱を一旦止めてドライモルトを投入、ダマにならないよう直ぐに撹拌します。 (例えダマになっても30分ほど煮込んでいるうちに溶けてしまいます)
Q065:ウォートを冷ました後に発酵容器に移します。このとき、鍋の底にたまっている澱を捨てようか、入れてしまおうか、毎回迷いま す。捨てようとすると、容器に軽く2Lぐらいのウォートが残ってしまうので、いつもはもったいないので入れてしまいます。ラッキングの時に取り除けばいいやと考えています。が、澱にはホップカスのほかに多分ホットブレイクしたタンパク質やグレインの残留なども混じっているでしょう。これを流し込むのはいかがなものか?これまでは別にいやな味になった経験は無いですが、やはり悩むところ。ウォートを無駄にしないで、澱を除く良い方法はありませんか?
A:発酵前に溜まる澱=Trub(トラブ)=煮込みで凝固沈殿した不要タンパクやホップ滓等=は発酵前に除いた方が良いです。ビールにえぐみ等のオフフレイバーがつく原因になります。
ポーターやスタウト等の色が濃いビール、ホップの苦みが強いビールでは他のフレイバーにマスキングされてそれほど目立ちませんが、淡色のビールやホップが弱いビールでは目立ちます。
節約しつつTrubを除く方法ですが、
発酵容器にラッキングする際、Trubが混ざったウォートを見切りを付けて(鍋に)多めに残します。
残ったTrubが混ざったウォートを殺菌した容器に入れます。1.5〜2Lペットボトルが使いやすいと思います。19L仕込みで2本もあれば十分です。冷蔵庫に一晩おくとTrubが綺麗に沈殿しているので、Trubを除いてサイホンで本ウォートに合流させます。合流させずに別容器で小サイズ発酵させても良いですね。19L仕込みで少なくとも1Lは余分にとれると思います。
Q064:貴店ビールキットのレシピノート「イーストの準備」では、ドライイーストを水に戻すだけでウォートに投入するようになっていますが、砂糖は加えないのでしょうか?
A:はい。砂糖は加えません。
当店レシピノートのイーストの準備の方法は「事前活性化(正確には水和化)」。乾燥したイーストを水に戻します。
その後の生命活動をスムースに行うための準備です。単に水に戻すだけですので砂糖は不要です。ドライイーストは細胞内に栄養素を十分蓄えた状態で乾燥保存しているため、一般的には水に戻すだけですぐに活発な活動を再開します。
これに対し、「予備発酵」を行う方法もあります。俗に「スタータを作る」と言います。
事前に少量(例えば19L仕込みで500mlくらい)の、ウォート(エキス+ホップ)を作ります。これにイーストを加え事前に発酵させ、発酵がピークを過ぎたころ、本仕込みのウォートに投入します。事前に発酵させることで、イーストのセル数(菌数)が増えますし、活性も十分な状態になります。そのため、本仕込みの発酵が早く立ち上がり、雑菌増殖のリスクも減少します。
スタータを作る際の注意点は、本仕込みへの投入のタイミング。発酵が始まった直後でなく、発酵がピークを過ぎたころ、が良い結果が得られます。発酵初期段階(=初期増殖終了直後)は増殖のためにイーストが自ら蓄えた栄養素を使い果たし、痩せ細った状態にあるためです。
また、ウォートでなく、砂糖で予備発酵用の溶液を作った場合、次の問題が発生します。
砂糖には、イースト生命活動に必要な栄養素や、雑菌増殖を抑える作用があるホップの成分が入っていません。さらに、ウォートはph=5くらいの酸性で、雑菌が増殖しにくい環境ですが、砂糖水は酸性ではありません。雑菌増殖と、イーストの栄養失調のため、健全な発酵が阻害されるリスクが高いです。従って、砂糖で予備発酵用の溶液を作る場合は、砂糖とイースト栄養剤と酸を加える必要があります。(ワインの場合は無理ですが、ホップも加えたほうが良いです。
私の経験から、ドライイーストで仕込む場合は、一般的には手間がかかるスタータを作らずとも、事前活性化のみで十分だと思います。
Q063:ワイン用スタータの作り方を教えてください。
(ご質問をいただいたお客様に掲載の了解を得る手間を省くため、今後は内容を当店にて編集、ご質問者の住所やイニシャルについても非掲載とさせていただきます)
A:スタータの作り方/ワイン約20Lあたり
1)下記材料全てを殺菌のため5分ほど煮沸後、埃が入らないよう蓋をして冷却します。
水 460ml
白砂糖大さじ2杯(大さじ1杯=30ml)
Ywast Nutrient(酵母栄養剤)小さじ0.5杯(小さじ1杯=5ml) >>砂糖や一部ジュースは栄養素が欠落or不足しています
Acid Blend(混合酸) 小さじ0.25杯 >>酸を加えることで雑菌増殖を防ぎます。
2)殺菌した約1Lの瓶(透明瓶のほうが発酵の様子がわかります)に入れ、ドライワインイースト0.25〜1パッケージを投入します。
3)アルミホイルやラップで蓋をし、瓶を激しく振って酵母の初期増殖に必要な酸素をとけ込ませます。
4)(ガスが逃げるように、かつ埃等が侵入しないように)再度アルミホイル等で蓋をします。
5)半日〜1日で発酵が始まります(炭酸ガスの泡が登っていくのが確認できます。
さらに発酵が進むにつれ、瓶底に乳白色の酵母の澱が沈殿していきます)。
5)酵母投入から2〜4日、発酵がピークを過ぎたころ(泡の発生が僅かになったころ)、瓶を振って内容を撹拌し、全てをマスト(発酵前のワイン)に投入します。
Q062:エクストラだけではなんとなく物足りませんので、ドライフルーツを入れてみようと思っております。
ドライフルーツ(リキュールに漬けたもの)を入れる場合、どのタイミングで入れるものなのでしょうか?ウオートの煮込み時でしょうか?発酵容器でしょうか?(2000年11月 香川県 H様)
A:どんなタイミングでも投入可能です。
それぞれ長短がありますのでいろいろ試してみるのが良いと思います。
ドライフルーツやハーブ、スパイス、ナッツ類、他を投入する際のタイミングについて:
(なお、リキュール浸けのフルーツの場合は、その状態(特にアルコールの付き具合)によっては以下雑菌の記述は無視して構いません。)
A)煮込み時・・・長く煮込むと香りが飛びますので、煮込み終了時に加え、5〜10分高温のまま放置します。雑菌が殺菌され安心ですが、高温と発酵時の揮発で香りはどうしてもとんでしまいます。
B)一次発酵時・・・発酵初期はアルコール度数が低いため雑菌が繁殖しやすいです。さらに発酵時にガスと共に香りが多少とんでしまいます。アルコール度数がある程度高くなる発酵後期に投入するのが良いです。
C)二次発酵時・・・香りのとびが少なく、雑菌も繁殖しにくいです。ただフルーツのフレイバーがビールに移るまで1〜2週間(あるいはそれ以上)時間がかかります。
D)一緒に瓶詰め・・・もちろんフルーツのサイズによりますが、意外性があっておもしろい方法です。例えばチェリービールにチェリーがちょこんと入っているとおしゃれですね^_^
余談ですが、チリビールには唐辛子が1本まるごと入っていますね。
E)予めリキュールに1週間程度(あるいは1ヶ月)漬け込み、フレイバーが移ったリキュールのみを瓶詰め時に加える・・・手軽で雑菌の心配も全くありません。香りの強弱も自由に調整できます。リキュールはホワイトリカーが無味無臭で無難ですが、例えばブランデーに漬け込んでもこれまた面白いです。
ナッツ類(例えばピスタチオやコーヒー、カシューナッツ、他)やハーブ、スパイス類も、この方法なら雑菌の心配なく、手軽に試すことができます。
以上ですが、回答になっていませんね _0_
ドライフルーツなら一次発酵の中程で投入するのも良いかと思います。
Q061:コーネリアスケグについて、
1.ケグ内の洗浄なんですが熱湯消毒とかした方がいいのでしょうか!?
2.ビールをケグに移しかえるタイミングなんですが瓶内発行の変わりにケグに詰めるんですよね!?
3.飲めるまでの期間なんですがケグ内の発酵と瓶内発酵って同じくらいなんでしょうか!?
(2000年11月 東京都 A様)
Q:コーネリアスケグについて少し質問があるんですが、
1.ケグ内の洗浄なんですが熱湯消毒とかした方がいいのでしょうか!?
何かお勧めのやり方などありましたらお教えくださいませ。
2.それとビールをケグに移しかえるタイミングなんですが瓶内発行の変わりにケグに詰めるんですよね!?
もちろんプライミングはしないで。自分はちょうどカーボイを持ってるんですが一次発酵をカーボイでやってから次にケグに詰ようかと思うんですがどうでしょうか??
3.それと飲めるまでの期間なんですがケグ内の発酵と瓶内発酵って同じくらいなんでしょうか!?
A:1.ケグでも瓶と同様、殺菌が必須です。
ケグの使用手順ですが:
1)本体から、蓋および接続部を外します。
2)内部・外部を洗浄のうえ、殺菌液を用い10分間殺菌します。
樽内は殺菌液をいっぱいに満たします。小部品は別容器を用い殺菌します。殺菌液は水1リットルに対し、台所用塩素系漂白剤3mlの割合で溶かして使用します。ビールが接触する全ての面に殺菌液が接触するように立てたり寝かせたりして5分間放置します。最後に部品や蓋を元に戻し、ガス圧をかけ、タップ(注ぎ口)から排出します。その後、(できれば湯で)よく濯ぎます。殺菌はこれで終了です。
3)蓋をあけたままガスラインを繋ぎ、3秒ほどガスを入れることで樽内の酸素をパージします(ビールの酸化を防ぎます)。
4)プライミングによりカーボネーションする場合:プライミングシュガーの量を瓶詰め時の〜1/2とし、少量の水で煮溶かしたものを樽に加えます(強制カーボネーション=プライミングしない場合は省略します)。
5)ビールをサイホンで樽に移します。
6)蓋をし、「ガスラインから3秒ほどガスを注入、その後排気」の操作を3回ほど繰り返すことで、樽内の酸素をパージします。
7)ガスボンベから強制カーボネーションする場合:レギュレータの一次圧を20〜30PSIにセット、ガスラインを繋ぎ樽を5分ほど揺すってガスを溶け込ませます。あるいは、ガスを適正圧に調整し、繋いだままにします(ガスが僅かずつ漏れていることが多いのでできれば避けたいです)。
以上です。
殺菌剤について:
1)塩素系漂白剤はステンレスを腐食させるため、時間と濃度を守ってください。
2)ヨウ素系殺菌剤(Iodophorサニタイザー)が海外Homebrew Shopで売られています。規定濃度(19リットルあたり30mlくらい)に薄めます。濯ぎ不要です。比較的安価(10$/1Lくらい)です。ただし、チューブ等に使うと色がつきます。私はこれを使っています。(後日注釈:現在は当店でも扱っています )
3)酸系の殺菌剤(商品名スター・サン)が海外Homebrew Shopで売られています。規定濃度に薄めます。こちらも濯ぎ不要です。多少高価(2.の1.5倍くらい)です。
4)消毒用エチルアルコールを4Lくらい樽にいれ、完全に殺菌した後、ガス圧をかけ排出します。高価(¥900/0.5Lくらい)ですが何回でも再利用ができます。病院や研究室に知り合いがいれば4Lサイズのエチルアルコールが安価に入手できるようです。樽は瓶に比べ雑菌が残りやすいため、とにかくbeerに接する全ての面を殺菌液に接触させる必要があります。
5)熱湯消毒も有効ですが、全ての面を殺菌するとなると手間がかかるかもしれません。
2.ビールをケグに移しかえるタイミングについて:
樽の場合は樽内発酵不要、飲みながら澱引きもできるため、樽詰め時期はそれほど気を使わなくて良いです。
一時発酵終了後樽に詰めれば飲んでいる間に澱引きされ、徐々にクリアになります。特に温度が低い場合は市販のフィルターをかけたビールなみにきらきらクリアになります。私は大抵この方法です(たまに二次発酵をカーボイで行うこともあります)。
プライミング無しで強制カーボネーションが一般的ですが、プライミングする場合は砂糖の量を瓶の場合の1/2に抑えます。
3.飲めるまでの期間について:
プライミングする場合は瓶と同じくらいかかりますが、強制カーボネーションの場合は樽詰めから半日あれば飲めます^_^
もちろんビールの温度にもよります(低温では炭酸ガスが溶け込みやすいです)。
Q060:1)マッシングと煮込みをしたあとに、すぐモルトエキス投入、煮込みをしないといけないのでしょうか。どうしても深夜に仕込むので、2日間に分けて仕込めれば楽なのですが。2)マッシングにシャトルシェフを使い重宝しているのですが、その後の煮込みには利用できないでしょうか。(ぐつぐつ煮込まないとダメでしょうか) (2000年11月 神奈川県 H様)
Q:先日バイツエンキットとリキッドイーストを購入して半分の10Lのみ作ってみましたが、市販品に無い香りの濃さに大満足です。熟成が楽しみ。初めてのマッシングでしたが、レシピシートが詳細に書いてあるので難なくこなせました。近いうちに、残りの10Lを仕込もうと思うのですが、少々質問があります。
1)マッシングと煮込みをしたあとに、すぐモルトエキス投入、煮込みをしないといけないのでしょうか。どうしても深夜に仕込むので、2日間に分けて仕込めれば楽なのですが。
2)マッシングにシャトルシェフを使い重宝しているのですが、その後の煮込みには利用できないでしょうか。(ぐつぐつ煮込まないとダメでしょうか)
A:2日に分けて仕込むことはもちろん可能です^_^
マッシング〜スパージングで1日目は終了、翌日は煮込みからスタートします。
ただこの場合、特に夏場は乳酸(あるいは野生酵母)による発酵が始まる場合があります(経験上、味にはそれほど影響しないようです)。あまり時間をおかないこと、あるいは時間をおく場合は適当な時期に一旦70℃くらいまで加熱したほうが良いです。
なお、2日に分けて仕込む場合、マッシュアウト(マッシング終了時に温度を上げる)を確実に行う、あるいはスパージング終了後に軽く沸騰させ、糖化酵素を不活性にしたほうが良いです。糖化酵素が活性のまま放置すると、糖化が継続してドライなビールになる可能性があります。
シャトルシェフについてですが、ウォートは煮込むことでオフフレイバーの原因となる不要成分を揮発します。また、ホットブレイクと呼ばれる不要タンパク等が凝固〜沈殿します。残念ながらマッシングでは煮込みは必須のようです。
Q059:レシピでは一次発酵が終わってからあまり泡が立たない二次発酵を2〜5日すると書いてありました。2〜5日の差は何を意味するのでしょうか。ex長い方がドライになる等。また、何か瓶詰めのきっかけのようなものがありましたら教えて下さい。ex飲んで甘みがなくなっている等。(2000年11月 岩手県 T様)
Q:先週の水曜日にスイートポーターを仕込みました。3回目にホップを入れるとき一緒に入れるアイリッシュモスを忘れてしまいました。ビールと一緒にアップルワインを込んでいてちょうど果汁を絞っている最中でした。仕込み終わって後かたづけをしていたらアイリッシュモスの袋がありましたが後の祭りでした。少しザツミがあってもいいかと思うようにしています。次回は手作りワインではなく手作りビールを飲みながらよく注意して仕込みたいと思います。
今週の月曜日の夜あたりから泡があまりでなくなってきています。室温が18℃を下回る日があったので18℃の部屋に持ってきましたが状況はあまり変わりません。レシピの二次発酵の時期に入ったと見ていいのでしょうか。レシピでは一次発酵が終わってからあまり泡が立たない二次発酵を2〜5日すると書いてありました。2〜5日の差は何を意味するのでしょうか。ex長い方がドライになる等。
また、何か瓶詰めのきっかけのようなものがありましたら教えて下さい。ex飲んで甘みがなくなっている等。
A:アイリッシュモスは私もよく忘れます^^;; ポーターでしたらそれほど影響ないですよ^^。
レシピの書き方がわかりにくいですが、「二次発酵」は通常は容器を移し替えた場合に使います。移し替えない場合は「後発酵」と呼ぶのが一般的です。
二次発酵(あるいは後発酵)の目的は主に2つです。
1)残っている糖分をより完全に発酵させるため。
2)若ビール中に浮遊している酵母を沈殿させ、味・透明度ともクリアなビールにするため。
発酵終了の見極めはいろいろあります。
甘みが無くなっているか、(比重計があれば)比重が十分下がって、さらに1〜2日後に値が下がっていないか、炭酸ガスがまだ発生していないか、ビール表面の泡の層が消えたか、等々。
上記状態からさらに瓶詰めまでに5〜10日くらい放置したほうが、よりクリアなビールになります。
ただ、温度が高い場合は酵母臭が付きやすいため、比較的早めに瓶詰めしたほうがよいです。
Q058:2次発酵は行わずプライミングも瓶にステックシュガーを入れる方法でやってきました。これからは2次発酵だ、澱引き、プライミングシュガーの一括投入だと、容器がたくさん必要になってきました。バケツ、ポリタンク、カーボーイなどありますが、メーカーも含めて何がお勧めでしょうか?
Q:2次発酵は行わずプライミングも瓶にステックシュガーを入れる方法でやってきました(典型的な初級コース)。ということで、これまではポリタンク1個で間にあいました。これからは2次発酵だ、澱引き、プライミングシュガーの一括投入だと、容器がたくさん必要になってきました。今使っているポリタンクは底面の形状が複雑で、澱引きがやりにくいので更新しようと思っております。バケツ、ポリタンク、カーボーイなどありますが、メーカーも含めて何がお勧めでしょうか?あいにく御社のHPでは準備中・・・
条件としては、
・1回の仕込みは最大10リットル(量よりもバラエティーを重視)
・収納時場所をとらない(バケツは重ねられて中に道具がしまえて便利ですね)
・2次発酵にも使える(2次発酵は空気との接触麺が小さいカーボーイがよいのでしょうか?、バケツでは無理?)
・発酵状態を観察できるもの
・専用品ではなくてもエアロック、(必要なら)コックの取り付けは自分でできます (2000年10月 神奈川県 S様)
A:発酵容器は円筒のバケツ、あるいは角形の食品乾燥保存用の密閉蓋付きの容器が使いやすいです。最初はコックがあったほうが多少楽かもしれませんが、サイホンに慣れれば必要ありません。透明な材質のほうが発酵中の様子が分かるので、その意味では上記角形透明容器がお勧めです。ダイエー等で安価に売られています。
理想は一時、二次ともガラスカーボイ(狭口の巨大ガラス瓶)です。プラスティック製の場合は長く使うと表面についたキズに雑菌が入り込むため、殺菌が不完全になりがちです。殺菌と空気にできるだけ触れないことに留意すれば、二次発酵で樹脂製容器を使っても構わないと思います。
Q057:マッシング用と煮込み用のなべをフルマッシングにそなえて家中の鍋の容量をしらべてみましたが、大きなものが見当たりません。苦し紛れに、10リットルの材料で8リットルの濃度の高いウォートを作り、2リットルは水で薄める方法を考えてのですが如何ですか?
Q:マッシング用と煮込み用のなべをフルマッシングにそなえて家中の鍋の容量をしらべてみましたが、大きなものが見当たりません。以前漬物用に購入して結局使わなかったホーローの寸胴の容器が2個出てきました。しめたと思ったのですが、満水にして10リットル、安全を考えると8リットルが限度と思われます。煮込みとマッシングをこの容器でやろうとするとオールグレインを10リットル作るのは無理ということでしょうか?苦し紛れに、10リットルの材料で8リットルの濃度の高いウォートを作り、2リットルは水で薄める方法を考えてのですが如何ですか?(2000年10月 神奈川県 S様)
A:通常のフルマッシングでは仕込み量以上の容量の鍋が必要です。
たとえば http://brew.sakura.ne.jp//brew/info_equipment.html でご案内しているように、
10リットル仕込みでは:
鍋(大)=16リットル以上の鍋 1個−>煮込み用
鍋(小)= 9リットル以上の鍋 1個−>マッシング用
となります。
マッシングで仕込み量以上の(薄い)ウォートを回収し、90分煮込んで蒸発させ、仕込量まで容量を減らします。
もちろん、おっしゃるように、例えば初期比重1.080でウォートを作り、最後に2倍に薄め、1.040とすることも可能ですし、マッシングの水比率を少なくしたり、スパージングを省略する等、様々な方法は考えられます。
ただ、これらの方法を採った場合、ホップに苦み抽出率やマッシングの糖分利用効率が下がったり、ウォートに色がついたり、いろいろ支障がでてきます。これらをご自分で予測し、予め対処できるようになるまでは、やはり通常のセオリーに従ったほうが無難だと思います。
Q056:エールの場合高めの設定の方がフルーティーになるようですが、フルーティーさを限界まで(他の悪影響が出ない範囲で)高めようとした場合、どのくらいの温度まで上げられますか?
Q:エールの場合高めの設定の方がフルーティーになるようですが、フルーティーさを限界まで(他の悪影響が出ない範囲で)高めようとした場合、どのくらいの温度まで上げられますか?これからは加熱方向ですから、そんな試みもやってみたいと思っております。(2000年10月 神奈川県 S様)
A:レシピやイーストの種類、イーストのコンディション、好みその他によって変わってきますので一概には言えません。例えば、バスペールエール等、イングリッシュスタイルではフルーティさを特徴とますが、一方、アメリカンあるいはジャーマンスタイルではフルーティな香りはオフフレイバーとなります。したがってあくまで一般的に、さらに当店キットに添付しているDCLイーストに限定してですが、フルーティさを求める上限温度は発酵推奨上限温度である24℃となります。
Q055:市販のコーラ等のPETボトルで大きいもの1リットル、1.5リットル、2リットルなどで瓶内発酵させても大丈夫でしょうか?透明瓶が主流と思いますが黒いビニール袋などで遮光すればOKでしょうか?
Q:500ミリリットルPETボトルはビール用に 売られているようですが、市販のコーラ等のPETボトルで大きいもの1リットル、1.5リットル、2リットルなどで瓶内発酵させても大丈夫でしょうか(ボトルの強度、再利用するキャップの気密度など)?透明瓶が主流と思いますが黒いビニール袋などで遮光すればOKでしょうか?(2000年10月 神奈川県 S様)
A:はい。炭酸飲料用であれば大丈夫です。おっしゃるとおり、ビールは弱い光でも劣化しますので遮光は重要です。
Q054(1):ケグに入れてサーブする場合は炭酸は後から注入されたものになるのですか?御社のHPにはPETボトルに炭酸ガスを注入するような事が出ておりましたが、これも炭酸ガスが含まれていないビールに後から強制的に注入する手法なのですか。(2000年10月 神奈川県 S様)
A:はい。そうです。ケグの場合あるいはペットボトル+カーボネータorCO2バルブ使用の場合、炭酸ガスは後から任意に注入することができます。もちろん、通常どおりプライミングして瓶内発酵させることも可能です。
Q054(2):もしそうだとすると、瓶内発酵で出来た炭酸ガスと、炭酸ガスを注入したものとの差はありますか?(2000年10月 神奈川県 S様)
A:差はないと思います。一部海外の消費者団体で、「瓶内発酵でカーボネーションしたビールを推奨する」他の活動がありますが、これはあくまでポリシーの問題であって、味の問題ではありません。co2ガスはあくまでco2ガスです。
S様からの返信>>>> そうですか。これまで私が<直感的に>考えていた「自ビールの美味さの1つの要因は瓶内発酵で酵母が作り出す炭酸ガスにある」という仮説(ポリシーではなく)を考え直してみなければ・・・。
私はカーボネーションを喉ごしの感覚と捉えています。適度に刺激のあるなめらかさは、炭酸ガスの気泡の刺激と気泡が液体の流動性を活発にすることにあると考えていました。市販ビールと自ビールでは喉ごしの感覚が違うように思うのですが、それは他の要素が関係しているのでしょうか。また色々疑問が湧いてきます。
●市販ビールと自ビールでは実際に喉ごしの感覚に差は無いのか(差が有るというのは私の思い込み?)?
●カーボネーションと喉ごしの感覚には因果関係はないのか?
●喉ごしの違いの要因はなにか?
●瓶内発酵と、注入では、炭酸ガスの溶け込み方は本当に同じなのか?、たとえば炭酸ガスの含有量、ビールへの溶け込みかた(良くわかりませんが、溶け込む時間とか・・・、 分子量とか・・・、ビールに含まれるも水以外の(アルコールとかの)他の成分との反応とか・・・
●一部海外の消費者団体はどんな主張をしているのですか?
当店返信>>>市販ビールと地ビール、あるいはHomebrewingビールの喉ごしの違いについてですが、これば強制カーボネーションか瓶内発泡かではなく、カーボネーションの度合いとビールの組成の違いによるものが大半だと思います。もちろん、上記2種のカーボネーション方法の差が喉ごしその他に影響しているとする意見をお持ちのかたもいらっしるかと思いますが、それを否定するつもりはありません。
喉ごしを決定する主な要因として:
1)カーボネーションの度合い(溶け込んでいるガスの量)
2)飲む時の温度
3)ビールの組成(主にボディ=こくの大小で異なります)
大手メーカのピルスナータイプのビールはボディが非常に弱く、そのかわりに高めのカーボネーションを施し、冷やして飲みます。温かったり炭酸が抜けていてはまずくて飲めません。良い悪いではなく、そういうスタイルのビールです。
対して、Homebrewingではもちろん上記ピルスナースタイルも可能ですが、それよりもボディを強くし、カーボネーションは少な目です。キンキンに冷やして飲むよりもある程度温めで味わって飲むものが多いです。Homebrewingビールではカーボネーションの度合いをある程度、さらに樽詰めの場合は自由に調整することができます。
なお、瓶内発酵と強制カーボネーションの違いですが、瓶内発酵では、微小な炭酸ガスが発生すると同時にビールに溶け込むため、カーボネーション直後から、グラスに注いだ際に比較的小さな泡が得られます。
対して強制カーボネーションでは一気にガスを注入するため、カーボネーション直後は泡が荒いです。その違いはあります。ただ、時間をおくと差はなくなるものと思います。
「一部団体」について:例えばCAMRAと呼ばれるイギリスの(リアルエール啓蒙の?)消費者団体では、強制カーボネーションやその他人口的工程を経てできた、あるいはある種材料を使ったビールを「工業ビール」と呼んで区別しているようです。ホームページがありますのでご覧いただくと参考になります。「CAMRA」で検索できると思います。(後日追記:http://www.camra.org.uk/ です)
Q053:初心者がラガーを仕込むのは、今(10月)はまだ早くて年末頃スタートするのが温度管理的には楽なのでしょうか?(2000年10月 神奈川県 S様)
A:初心者上級者に限らず、冷蔵庫等で温度管理しない限り、関東以西ではラガーは冬以外は難しいです。
ちなみに私の自宅(東京練馬)では、2月でも夜間暖房なしのダイニングでエール適温の19℃をキープできます。
ラガーを仕込む場合は一切暖房のない部屋に放置しますがこれでも温度は高くなりすぎます。
Q052:是非私も御社のキットでステップアップしたいと思っております。
2年前、市の生涯学習の講座でビール作りの手ほどきを受けました。それ以来5回ほどキット(加糖なし)で作っただけの全くの初心者です。キットでも、市販のビールに比べて随分美味しく感じました(身びいきも含めて)。もともと、エールタイプのビールが好みのせいもあるとはおもいますが。最近、インターネットで情報をあさると、キットで自家醸造するのは、趣味としてもほとんど相手にされない世界だと言うことがわかり、今まで自分が感激して、それのみでなく、他人にまで自慢して押し付けていたことに、冷や汗たらたらです。
是非私も御社のキットでステップアップしたいと思っております。いままでの遠回りを一気に解消したいと考えており、異なる製法で種類の異なるビールを造ってみたいと思っております。そこで質問です。(2000年10月 神奈川県 S様)
Q052(1):エキス+スペシャルグレイン、パーシャル、フルそれぞれの特徴を活かしたビールの銘柄を教えて下さい。(これからクリスマスにかけてフルーツまたはスパイスビールを1種類加えたいと考えています)。
A:仕込み方法の特徴を活かしたレシピ、は特になく、お好み次第なのですが、強いてあげれば、エキス&スペシャルモルト仕込みでは淡色系は苦手です。アンバー〜ポーター、あるいはスパイスが入ったグランクリュなど良いと思います。
パーシャルマッシングではポーター#2あたり、フルマッシング仕込みでは、エキス&スペシャルモルトキットでは苦手なゴールデンあるいはゴールデンライト系、あるいはWeizenなども良いと思います。でもお好み次第なので上記にこだわらずに選んでいただいて構いません。
S様からの返信>>>
●エキス&スペシャルモルト仕込みではグランクリュ
●パーシャルマッシングはポーター
●フルマッシングはゴールデンあるいはゴールデンライト
にしようとおもいます。グランクリュなんか、パーティーでフルーツパンチみたいに飲めそうなので、女性向きに(最近はこの前提はほとんど当てはまりませんが)度数を下げても問題ないですか?
当店返信>>>グランクリュはどちらかといえば高度数のレシピです。低い度数、とおっしゃっていたのに申し訳ありません _0_
蜂蜜を加え度数を1.048まで上げています。言われてみれば度数を下げるとフルーツパンチのようにさっぱりと飲めるかもしれませんが、確認していないので何とも?です。一方ゴールデンエールあたりは度数を下げてもそれなりに美味しいと思います。ポーターは特徴であるボディがなくなりますが、ローストモルトのリッチな香りは楽しめると思います。
S様からの返信>>>銘柄選びは、もうすこし考えてみます。少し、室内の温度を測ってみます。
当店返信>>>了解しました。じっくりご検討ください。なお、発酵容器に仕込量ぶんの水を入れ、その水温を計るとよいです。実際の発酵温度は発酵熱により、水温より+2〜3℃上昇します。
Q052(2):モルトはクラッシュしたものは2週間ぐらいしか持たないと書いてありますが、ホールのものだとどのくらい保存がきくでしょうか?
A:冷暗所で半年〜1年は大丈夫です。
Q052(3):ホールのものを家庭で簡単にクラッシュ出来るでしょうか?(2,3の質問は1回に3種類発注して1〜2ヶ月かけて順に作っていくことが可能かどうかと言うことです)
A:瓶で潰すのが理想ですが量が多いとかなり大変です。ミキサーやコーヒーミルでは殻が細かく砕けてしまい、タンニン等の不快成分が溶出しやすくなります。
なお、クラッシュした麦芽は理想的には2週間ですが、冷蔵庫で1〜2ヶ月保存してもそれほど味はかわらないと思います。もちろん個人差やレシピにもよります。
Q052(4):10リットルでやりたいのですが、フルの場合は5リットルのほうが最初は無難でしょうか。ロイタータンは持っておりません。5リットルの仕込だと現実どのぐらいの歩留まりになるでしょうか。
大きな鍋があれば、10Lのほうが温度がより安定します。ただ、体力的には5Lなら非常にです。
歩留まりはどれくらいクリアなビールにするか(澱を捨てるか)でも違ってきますが5L仕込みで4L強くらい、でしょうか。
Q052(5):もともとアルコールには強くないので、他の要素に影響が出ないのならなるべくアルコール濃度を下げたいのですが、そのようなことは可能でしょうか?邪道でしょうか?
A:いえ、度数は自由に増減して構いません。レシピによっては初期比重1.030程度でも美味しいです。ただ、度数に比例してボディ(コク)も少なくなりますので強いボディで低い度数、は難しいです。ただ、オートミールを加える等、手段はあります。逆に強力なボディにしたい場合は初期比重を1.055くらいに上げます。(あくまでも自家醸造が認められている海外で仕込む場合の話です)
Q052(6):同じ素材で、この時期特別な温度管理をしなかった場合、エールとラガーの酵母を変えると、どの位異なったものが出来るのでしょうか?其の差を際立たせるにはどの位の温度条件の差が必要なのでしょうか。
ウォート温度が15℃以上ではラガーは美味しくできませんし、濁りもとれません。
エールのほうがずっと美味しくできます。なお、カリフォルニアコモン(スチームビア)なるエール温度でラガーを発酵させるスタイルもありますが、これは高温でも美味しく発酵する性質のラガー酵母を使い16℃くらいで発酵させます。その後、低温でラガーリング(熟成)します。
Q052(7):本来の高温のエールと低温のラガーに加えて高温のラガーと低温のエールの4種類を考えた場合、本来以外の組み合わせが、そもそも成り立つのか、成り立つとすると其の差はどれぐらいあるのか?(6,7は缶詰キットではエールしかなかったのですが、御社のHPで急にラガーの世界が広がったための質問です)
A:組み合わせというよりは、ラガー、エールとも、発酵可能な限り低温で発酵させることがクリアなビールを作る上で好ましいです。一般的にはラガーでは10℃以下、エールでは20℃以下(できれば18〜19℃)がbetterです。
上限はラガーは13℃(酵母によっては16℃)、エールは25℃です。上限温度を超えるほど、様々な複雑な香りが発生します。例えばエールを高温で発酵させるとフルーティな香りが強くなります。
Q051:ドライホップの滓を瓶詰め時に巻き込まないコツがあったら教えてください。
Q:ドライホップの滓を瓶詰め時に巻き込まないコツがあったら教えてください。先回は最後の3本ほど、開栓と同時に吹きました。(これ、結構がっかりしますよね。さぁ飲むぞ、というタイミングな ので)
レシピの記載から、ドライホップ滓の巻き込みによる異常発酵と推察しましたが、よい対策を思いついていないのです。ティーバッグのようなものにホップを入れて投入しようかなぁなどと考えていますが、それが雑菌の温床になってもイヤですし。(2000年9月 静岡県 K様)
A:ドライホップでの吹きの原因ですが、ホップの滓や成分が過飽和状態のビールに何らかの作用を与え、開栓時に一気に吹き出すようです。昔は市販ビールでもホップの影響で吹きを起こす事例が多くあったようです。
ホップを巻き込まない方法ですが
1)おっしゃるとおり、ドライホップをティーバッグ(市販されています)に入れ、若ビールに入れると良いです。私はティーバッグをポリ袋で密閉してバッグを清潔に保ち、殺菌無しで使用しています。雑菌が気になる場合は熱湯殺菌すれば良いです。なお、ティーバッグにホップを入れただけでは若ビール上に浮いてしまうい、カビ等の原因になります。沈めるために、ビー玉や錆びないステンレス製のネジ等を一緒に入れてください。それと、ペレットホップは若ビールに入れると嵩が大幅にふえます。ティーバッグに入れるホップの量をティーバッグ容量の1/3〜1/4くらいに抑えてください。
2)ボトリングタンクへのラッキング時、あるいは瓶詰め時にラッキングチューブに上記ティーバッグを付けてもよいです。バッグの目が滓で詰まりやすいので注意が必要です。
なお、ホップが完全に沈殿するまで(ホップ投入後10〜14日くらい)待てば、上記対策をしなくてもそれほど瓶には入ってこないと思います。
Q050:イーストを入れる前のウオートは、空気を含ませたほうが良いといろいろ書かれておりますが、発酵容器の中をしゃもじでバシャバシャかき混ぜるのでよいのでしょうか?またこの空気を含ませる工程は酸化という危険性は無いのでしょうか?
Q:質問ですが、イーストを入れる前のウオートは、空気を含ませたほうが良いといろいろ書かれておりますが、発酵容器の中をしゃもじでバシャバシャかき混ぜるのでよいのでしょうか?またこの空気を含ませる工程は酸化という危険性は無いのでしょうか?(2000年8月 香川県 H様)
A:ご存じのように、イーストをウォートに投入してから数時間の間、イーストは酸素を消費し、増殖します。
この期間に酸素が不足すると、ウォートを正常に発酵させるために必要なイースト個体数が不足し、不完全な発酵になってしまいます。特に高度数beerやラガーにおいては重要です。
(詳しい説明が当店ホームページ http://brew.sakura.ne.jp//brew/wyeast.html にも出ています)
したがって、可能な限り「十分に」エアレーションしてください。エアレーションの方法ですが、しゃもじを使ってかき混ぜるだけではエアレーション不足、雑菌も多く混入すると思われます。泡立て器を使ってエアレーションされるかたもいらっしゃいますが、この場合も雑菌混入には細心の注意を払う必要があります。
発酵容器の形状にもよりますが、カーボイや密閉できる容器の場合、ウォート発酵容器に移した後、密閉して容器を前後に揺すると簡単に泡立てることができます。容器のしたに座布団等を敷き、容器を斜めに傾けバランスをとった状態で前後に容器を揺すります。このとき容器内のウォートが回転をはじめないようきっちりと前後に揺することとが重要です。波の跳ね返りのタイミングをとって揺すると、面白いように泡立ちます。
なお、ウォートを半量程度煮込み、後から冷水を加える場合は、冷水に酸素が多く溶け込んでいるため、それほどエアレーションに気を使う必要はありませんが、大きな鍋で全量煮込む場合はエアレーションは非常に重要です。さらに初期比重が1.080を超えるような高度数のレシピやラガーにおいては、「かき混ぜる」よりも「泡立てる」くらいの十分なエアレーションが必須です。怠った場合は終了比重が下がりきりません。
エアレーションによる「酸化」については全く心配ありません。イーストの初期増殖により酸素は消費し尽くされる、とされていますし、仮に消費されずに残ったとしても発酵で生じる炭酸ガスと共に放出されるものと思われます。
Q049:ラガーの瓶詰の際、少量のドライイーストを入れるとありましたが、その量はどの位でしょうか。
(2000年10月 福岡県 F様)
A:1瓶(小瓶=330ml)あたり数粒でよいです。
ちなみにプロbrewer向けのDCLのインストラクションには
1.DCLエールイースト
通常のピッチングレート:「1KLあたり500〜800g」(−>1Lあたり0.5〜0.8g)
ボトルコンディション用:「1KLあたり25〜50g」(−>1Lあたり0.025〜0.05g)
2.DCLラガーイースト
通常のピッチングレート:「1KLあたり800〜1200g」(−>1Lあたり0.8〜1.2g)
ボトルコンディション用:「1KLあたり25〜50g」(−>1Lあたり0.025〜0.05g)
とあります。
なお、投下量に幅がありますが、主に初期比重(大きいほど多く)と発酵温度(低いほど多く)、あるいはコンディションによって増減します。
Q048:HPの実践編「より美味しいビールを造り愉しむための実践的テクニック」をみて、発酵の期間と温度の関係を自分なりにまとめましたので、これでよいのでしょうか?
○ラガー(ドライイースト使用)
1 一次発酵 プラ容器使用 温度13〜20度 期間は一週間程度
2 ダイアセチルレスト プラ容器使用 温度15〜20度 期間は2〜3日
3 ラガーリング ガラスカーボーイにうつす 温度は一週間で0度に落とす 期間は一週間
○エール(ドライイースト使用)
1 一次発酵 プラ容器使用 温度18〜20度 期間は一週間程度
2 ラガーリング ガラスカーボーイにうつす 温度は一週間で0度に落とす 期間は一週間
(2000年10月 福岡県 F様)
A:
ラガー(ドライイースト使用):
申し訳ありません。上記ラガーの一時発酵温度「13〜20℃」は昨シーズン(1999年)使用していたドライラガーイーストのものです。まだ書き直していません。今シーズン(2000年)からは真のラガーに劣らない、プロがラガー発酵用に使うことすらある、強力なDCLドライラガーイーストを添付する予定ですが、こちらの発酵適温は9〜15℃です。
発酵可能な範囲で低ければ低いほど質の良いクリアな(味・濁りとも)ビールになります。ただし、下限温度で発酵させるためにはピッチングレートを通常の1.5〜2倍とします。ダイアセチルレストは13〜15℃で良いです。発酵期間は条件(温度と初期比重、イーストのコンディション)によって変わりますが14日〜20日くらいになります。
エール(DCLドライイーストを使った場合に限定して):
発酵適温は18〜25℃(理想的には20℃まで)。
主発酵終了後、最低3日くらいおいて、ラガーリング(あくまで透明度の高いビールを得るためのオプション、通常は不要です。なお、おこなう場合はイーストが弱ってしまうことが多いため、上記ボトルコンディション用のイーストを瓶に添加したほうが良いです)、となります。
こちらも発酵温度は低ければ低いほど良いです。ただ、バスペールエールのようなエステル香(=フルーティな香り)をお好みの場合は温度が低いと得られません。なお、DCLエールイーストはコンディションにもよりますが16℃くらいでも発酵するようです。ただし、ピッチングレートを通常の2倍程度とします。
Q047:ドライホップが発酵液上面に浮遊しています。なるべくこのドライホップを瓶にいれない方が良いのですが、どうしても入りやすくなります。ここをどの様に解決すればよいでしょうか?
Q:現在アンバービターエール+ドライホップを作っています。一次発酵後ドライホップを加え3日になるのですが加えたドライホップが発酵液上面に浮遊しています。なるべくこのドライホップを瓶にいれない方が良いのですが、どうしても入りやすくなります。ここをどの様に解決すればよいでしょうか?シリコンチューブにガーゼを付けて濾過しながら瓶詰めするのかなあとは思うのですが、もし良い方法があれば教えて下さい。(2000年10月 大阪府 N様)
A:ドライホップは、はじめはウォート上に浮いて、どうしたものか悩みますが、10日〜20日くらいで綺麗に沈んでしまいます。瓶詰めをそれまでお待ちください。日程の関係で早く沈めたい場合は軽く容器を揺すってもよいです。あくまでも酸化を避けるため、空気を巻き込まない程度に。
Q046:次回は市販のビールに近いものの作成に挑戦しようと思っています。
それは、麦百パーセントの恵比寿ビールです。どのキットを購入して、どのように調整したらよいか(スペシャルグレインとか)ご存知なら教えていただけませんか。(2000年9月 京都府 I 様)
A:基本的にはペールモルト100%です。キットではゴールデンエール(あるいはラガー)となります。
余談ですが、フルマッシングで慣れてきたら、キットを入手されるより、単品で材料を購入されたほうが安価です。
これで恵比須以上のボディ(コク)やモルトフレイバーは十分得られます。よりボディやモルトフレイバーを強めたい場合は淡色クリスタルモルトを19リットルあたり、200〜450g加えますが、色は濃くなり、「キレ」はなくなります。
ボディを弱めたい場合は米を加えます。癖のない蜂蜜でも良いです。米を19リットルあたり800g程度加えたものがゴールデンライトエール(ラガー)です。薄い黄金色になります(ただし、米を加える場合は予め、糊化=加熱し粥状にする=の処理が必要です)。
なお、より密な泡を得るために小麦モルトを19リットルあたり40g程度加えると良いです。
なお、マッシングの温度によってもボディは調整できます。
Q045:比重を最初に計るときには、スパージングが終わった際のものについてなのか、それとも煮沸をして、ホップなどを入れた後のものを計るのかどちらでしょうか。
Q:比重を最初に計るときには、スパージングが終わった際のものについてなのか、それとも煮沸をして、ホップなどを入れた後のものを計るのかどちらでしょうか。今回、急冷が終わって、発酵容器に入れない最後のどろどろした物の比重を計りました。でも、しばらく時間をおいておいたので、沈殿物は大体底にたまった状態にはなっています。でもなんだか、浮遊物がいつまでたっても沈まないせいか、比重が少し高かったように思いました。(2000年9月 京都府 I 様)
A:いわゆる初期比重はイースト投入時の比重です。ただ、マッシングではマッシング終了時点等、各場面で計るほうが後々の参考になります。
なお、基本的にはどろどろしたもの(澱)は計らないほうがよいです。ただ、固形物は溶解しておらず、単に浮遊しているだけなので比重の数値には影響を与えないはずですが、誤差は大きくなり易いと思います。
Q044:御社より、ピンロックタイプに対応出来るケグセットアップを購入することは出来ますでしょうか。又、炭酸ガスボンベは酒屋さんで扱っているとの事ですが近所の酒屋では扱っていないとのことでした。
Q:ケグセットを購入したいと考えて居ります。
現在、3ガロンの「ピンロックタイプのケグ」を持っていましてこれを利用したいと考えて居ります。
御社より、ピンロックタイプに対応出来るセットアップを購入することは出来ますでしょうか。
又、炭酸ガスボンベは酒屋さんで扱っているとの事ですが近所の酒屋では扱っていないとのことでした。
どういった酒屋でよく扱っているか、又どうやって扱っている酒屋を見つけられるか、良い方法がございましたらアドバイス頂ければ幸いでございます。(2000年9月 東京都 N様)
A:残念ながら、ピンロックタイプケグの在庫がないので、ご注文いただいてから海外へ発注となります。
納品までに2ヶ月前後かかります。なお、3ガロンケグは海外でも品薄のため中古はほとんど入手できません。ご自身で輸入されると、トラブルがあった場合のリスクはありますが安価に入手できます。ご興味ありましたらshop等お知らせいたします。
炭酸ガスボンベを扱っている酒屋は、規模の大小よりも飲食店向けの生ビールを扱っていそうなところをあたるのが手っ取り早いです。店の横に生ビールの空き樽を置いてある店なら確実です。規模が大きい酒屋のほうがボンベを扱っている可能性は高いですが、小さい酒屋でも置いていたりします。
生ビールをおいてある飲食店に聞いてみるのも良いと思います。詳しくありませんので確かではありませんが、ビールメーカ営業から「直」で購入している場合はまずだめだと思います。
また、樽生ビールを扱っていない酒屋でも「大人数のパーティで使う」といえば取り寄せてもらえるかと思います。
Q043:今、第2回目の仕込みを終わり、発砲スチロールの保存箱で保冷材を入れて一時発酵中です。今度、週末の土、日に家を空けなければなりません。
Q:今、第2回目の仕込みを終わり、発砲スチロールの保存箱で保冷材を入れて一時発酵中です。
今度、週末の土、日に家を空けなければなりません。そこで、質問ですが、家を出るとき保冷材をいつもの2倍くらい入れて温度を12から14度に下げて2日間の留守を乗り切るのがいいか。また、通常通り保冷材を入れる。この場合、20度くらいに温度が下がりますが、2日目には、室温30度と変わらなくなっていることが予想されます。どちらがよいのでしょうか。(2000年8月 福岡県 F様)
A:一次発酵の進みかたにもよりますが;
一次発酵がほとんど下火になっている場合は温度を下げてウォートが高温になることを防いでください。それによる悪影響はほとんどありません。かえって酵母の沈殿が進み、良い結果になるように思います。
まだ一次発酵が盛んな場合、レシピや他の条件にもよりますが、私でしたら一旦12℃程度まで下げると思います。
一次発酵中に30℃になると、これまで折角低温でクリーンに発酵させてきたところに、エステル臭等のオフフレイバーがついてしまいます。
対して、一旦温度を12℃くらいまで下げた場合、発酵が干満に、あるいはストップしますが、温度が上がればそのまま発酵再開します。高度数レシピやラガーでは急激な温度変動よるショックから、オフフレイバーを発生するようになったり、一気に弱ったりすることもありますが、通常のエールではまずダメージはありません。
なお、通常より多くの保冷材をそのまま断熱箱に入れるのではなく、割増分を適当な断熱材で包んで保冷箱にいれる案はいかがでしょうか? さらに良い結果が得られると思います。保冷材の冷気を一気に利用するのではなく、少しずつ小出しで、長時間利用する理屈です。折角ですので美味しいビールにしてください。
Q042:瓶詰めから2週間たったので試飲用の瓶を開けて飲んでみました。味はなかなかだったのですが栓を開けたとたん、泡が吹き出してきてしまい半分くらい吹きこぼれてしまいました。(Q041の続き)
Q: 昨日、瓶詰めから2週間たったので試飲用の瓶(最後に詰め、澱が多い瓶)を開けて飲んでみました。味はなかなかだったのですが(いつも飲むビール:エビスより若干苦めですがおいしかったです)栓を開けたとたん、泡が吹き出してきてしまい半分くらい吹きこぼれてしまいました。
この原因はどういうことが考えられるのでしょうか?もうしばらくおいておいた方が良いのでしょうか?それとも、澱が多く、量が少な目(空気層が8cm程度)だったせいなのでしょうか?
一応、試飲する前2時間程度冷蔵庫にいれました。
A:上手く発酵したようで安心しました。
開栓時に泡が吹き出す原因ですが、
1.発酵が収束する前、糖分がかなり残った状態で瓶に詰めた
2.プライミングシュガーの量を間違えた
この2とおりです。
2.の可能性が無い場合は1.が原因です。
ラガーの場合はかなり緩慢な発酵が長期間続くため、瓶詰めのタイミングが早くなりがちです。
ガスの発生が完全になくなり(エアーロックからの排気が2〜3分待っても1度もないくらい)、ウォート表面の泡の層が完全になくなったころ、が目安です。特にラガーの場合、瓶詰めを急ぐ必要はなく、上記発酵終了から2週間以上放置しておいても大丈夫です。エールの場合は温度が高いため、酵母からのオフフレイバーがつくことがあります。(レシピノートの記述の改善を検討してみます)
比重計があれば的確に判断できますが、無ければ「味見」でも判断できます。また、原因ではないと思いますがビールの温度が高めの場合、泡がさらに多くなります。
希に、ホップその他の成分が作用して「吹き」の原因となることもあるようですが、滅多なことでは起こりません。(ドライホップの滓が瓶に入ると吹きの牽引になることがあります=後日訂正)
対策ですが、
1.キンキンに冷やして(特に0℃以下に冷やすと泡立ちが極端に少なくなります。−2℃くらいまではビールは凍りません)冷えたグラスに静かにあけ、ガスが抜け、少し暖まるのを待って飲む。
2.ペットボトルに詰めた場合は全てのビールのキャップを少し緩め、ガスを少し抜く。
3.瓶に詰めた場合は、開栓で吹かない温度まで冷やしておき、キャップを付け替える
今後の開栓で泡がさらに増える傾向が見られた場合は、早めに2.か3.の対策をとっておいたほうが良いかもしれません。
なお、今後さらに泡が増えるような場合は、万一破裂した時に怪我をしないためと、部屋を汚さないよう、瓶に袋をかけておいてください。特にお子さまがいらっしゃる場合は怪我をされないようくれぐれもご注意ください。なお、開栓時は袋をかけてから栓を抜くと安心です。とりあえずこんなところですがいかがでしょうか。
S様からの返信>>要するに糖分が多いということですね。一応、発酵も泡がほとんどなくなり、排気も無かったのでもういいかなと判断したのですが、また、発酵が緩慢状態になっていたのかもしれませんね。
プライミングシュガーの量に関しては、間違っていないと思っているのですが、今となっては確認するすべがないです・・・
あと、もう一つ考えられるのは水用のポリタンクで作ったので、プライミングシュガーを投入後口が狭いので、攪拌を十分に行えなかったため、濃度差が生じ今回開けた瓶は濃度が高かったということも考えられるのかなと思っています。いずれにしても、このまま放っておくとまずいので、教えられた方法を試してみます。
当店返信>>瓶詰め時に泡がほとんどなくなり、排気がなかったのなら、今後さらに手が着けられない程のオーバーカーボネーションになるとは考えにくいです。ばらつきの可能性も考えられるため、まず、2〜3本開けてみて、全体がオーバー気味かどうか確かめられたほうが良いと思います。決定打にならないメールで申し訳ありません。
S様からの返信>>昨日、別の瓶をチルドルームで冷やして飲んでみました。泡は特に多くなく、とてもおいしく、感激しました。冷やしたせいもあるかもしれないのですが一番の原因はたぶん濃度差かなと思います。
当店返信>>それは良かった。苦労されただけあって私も殊の外嬉しいです。たぶん「ガス抜き」等の対策は必要ないですね。
当店としましてもプライミングシュガーをよく混ぜる旨、レシピノートの改訂を検討してみます。
Q041:一次発酵を始めて2日ほどたつのですがどうも発酵が盛んに行われないようです。
Q:今、一次発酵を始めて2日ほどたつのですがどうも発酵が盛んに行われないようです。
発酵容器にうつす前の、コップ内におけるイーストの状態は泡が立っていたので大丈夫と思っています。また、発酵容器にうつす時の温度は20度を下回っていました。保存している温度はたぶん外気温で10度〜15度程度です(暖房していない場所においてます)。
最初はエアーロックから多少出ていたのですが(数分間に1回くらいポコンとエアーが抜ける感じでした)今はそれもほとんど見られません。時々容器を振ってエアレーションをしては見るのですがその後エアーが抜けるようには見えません。
ラガーの場合、どの程度エアーが抜けるものなのでしょうか?(例えば数分間に1回は抜けるのでしょうか? それとも、もっと長い時間で抜ける程度なのでしょうか?)その辺の感覚が分からないのでよろしくご指導のほどお願いします。もし、このままではまともに発酵しない場合は、どのように対処すればよろしいでしょうか。(2000年2月 東京都 S様)
A:ラガーの場合、コンディションにより発酵がかなりスローになる場合があります。ただしこの場合でも19リットル仕込みで最ピーク時、エアーロックから5秒に1回程の排気、したがって10リットルでは10秒に1回くらいの排気はあると思います。これくらいのピークが2日くらい続きその後はさらにゆっくりとした発酵になります。このペースの発酵では2週間くらいで一時発酵終了となります。今私が仕込んでいるラガーが元気が無くちょうどこれくらいです。
状況を詳しく教えていただきたいのですが:
1)容器蓋から(エアーロックを通さずに)ガスが逃げていませんか?
2)ウォート液面の泡は1センチ以上のクリーム状の層になってますか?
3)イースト投入から何時間くらいで発酵が始まりましたでしょうか?
4)イースト投入から現在までのウォートの様子と排気の間隔はどのように変化しましたでしょうか?
5)イースト投入直後のエアレーション(ウォートを泡立たせる)は実行されましたか?
なお、エアレーションはイースト投入後1時間くらいまででストップしたほうが良いです。酸素があるとイーストは発酵フェーズに入りきらず、さらに酸化によるオフフレイバーの原因となることもあります。
もし、このまま発酵しない場合の対処法についてですが、S様の場合、メールをみた限りではそれほど問題ないように思えます。(微弱な発酵ではなく)本当の発酵が始まったかどうかを知りたいです。これによって対処法が違ってきます。
S様からの返信>>
「1)容器蓋から(エアーロックを通さずに)ガスが逃げていませんか」−>軽く容器を押すとエアーロック内の水面が上昇するので大丈夫と思われます。
「2)ウォート液面の泡は1センチ以上のクリーム状の層になってますか?」−>ほとんどありません。
「3)イースト投入から何時間くらいで発酵が始まりましたでしょうか?」−>ということは、発酵が始まっていないと考えられますか?
「4)イースト投入から現在までのウォートの様子と排気の間隔はどのように変化しましたでしょうか?」−>最初に投入したときは数分間に1回程度でしたが、現在はほとんど排気されません
「5)イースト投入直後のエアレーション(ウォートを泡立たせる)は実行されましたか?」−>1分間位行いました。
・・・・・どうも、発酵が始まっていないように考えられるのですがいかがでしょうか? クリーム状の層が無いので・・・・
当店返信>>残念ながら発酵が始まっていない可能性が高いです。お話を聞く限りではとりたてて問題となるものがなく、イースト投入から遅くとも3日目には発酵が始まると思うのですが・・・
現在も始まっていませんか?
原因特定の前に取り急ぎ対策ですが:イースト投入から遅くとも3日目までに発酵の兆し(液面に白〜クリーム色の泡)が見られない場合は再度イーストを投入したほうが良いです。
投入から4日目くらいまでは除菌の程度にもよりますが、追加エアレーションを行いそのままイーストを投入、それ以降の場合は雑菌の割合が増えている可能性が高くなるため、できれば一旦ウォートを70℃、10〜15分加熱殺菌したうえで再投入するのが確実です。
イーストはお持ちでないと思いますが、恐縮ながら送料だけ負担いただければ明日必着での発送も可能です。
1)私が発酵中のラガーをちょうど本日澱引きしますので澱をお分けしても良いです。リキッドイーストのPilsen lager です。
2)ドライイーストも発送可能です。
なお、イースト投入の日時は何日の何時頃かをおしえてください。それによって今後の対策を変えていきます。
以上取り急ぎ返信します。また、mailします。
S様からの返信>>イーストの投入は2/2(水)19:00位です。現在は表面に1ミリ程度あるかないかの層が確認できます。また、5分間に一回位のエアーの抜けという感じです。イースト再度投入の必要がある場合はそのようにしたいと思っています。
S様からの返信>>先ほどはお電話ありがとうございました。あれから早速味を見てみました。なかなか表現するのはむづかしいのですが、ほろにがく、ほろ甘くほんのわづか炭酸&アルコールがするような気もします(にがさが炭酸っぽくかんじられるのかもしれませんが・・・)尚、酸っぱさはありませんでした。その際、中を直接みたのですが部分的に泡がたっているのですがほとんどの部分は液面が見えてました。また、液温は11度程度でした。
当店返信>>低温のため非常にゆっくり発酵しているようですね。幸い雑菌も繁殖していないようですので、対策としては、発送したイーストの澱を発酵中のウォートに直接注ぐだけで良いと思います。澱の個体数はかなり多いため、イースト増殖をはかるウォートのエアレーションは必要ないと思います。イーストの澱は明日届きます。できるだけ早くウォートに入れてください。入れた後は発酵容器を軽く揺するくらいで大丈夫です。
当店返信>>送付したリキッドイーストはWyeastのPilsen Lagerですが、9〜10℃で十分発酵します。注意点としてはウォート温度を9℃以下には下げないことと急激な温度変化を避けることです。1日のウォートの温度変化をできれば3℃以内におさえることが理想です。
夜間だけ新聞紙等で容器を保温する等、工夫してみてください。
S様からの返信>>イーストをお送りいただき、ありがとうございました。ちなみに、送っていただいたイーストを入れようと保温用の新聞紙を開けてみてびっくりなんと、1cmくらいのクリーム層が出来ているではないですか!!
保温したのが良かったのか、そういうタイミングだったのかは分かりませんが・・・
でも、せっかく送っていただいたので、イーストも投入いたしました。これで一次発酵が終わるのを待つだけです。
当店返信>>それは良かった。恐らく低温で活動できなかったものと思います。ストレスを受けている可能性があるため、澱の再投入を実行されて良かったと思います。オフフレイバーや雑菌繁殖もなかったようなので美味しいビールになると思います。なお、送付したリキッドイーストはより低温で発酵しますので、具合をみながらウォート温度を10℃まで下げても大丈夫ですよ。美味しいビールができたら良いですね。(Q042に続く)
Q040:イーストを入れる前のウオートは、空気を含ませたほうが良いといろいろ書かれておりますが、発酵容器の中をしゃもじでバシャバシャかき混ぜるのでよいのでしょうか?またこの空気を含ませる工程は酸化という危険性は無いのでしょうか?
Q:おかげで、フルマッシングとパーシャルマッシングの2回ほど、仕込みができました。先日8/7に仕込みました、御社のアンバーエール+ドライホップのPM仕込みも大変アロマの立つものに仕上がり満足しております。
質問ですが、イーストを入れる前のウオートは、空気を含ませたほうが良いといろいろ書かれておりますが、発酵容器の中をしゃもじでバシャバシャかき混ぜるのでよいのでしょうか?またこの空気を含ませる工程は酸化という危険性は無いのでしょうか?(2000年8月 香川県 H様)
A:ご存じのように、イーストをウォートに投入してから数時間の間、イーストは酸素を消費し、増殖します。この期間に酸素が不足すると、ウォートを正常に発酵させるために必要なイースト個体数が不足し、不完全な発酵になってしまいます。特に高度数beerやラガーにおいては重要です。(詳しい説明が当店ホームページhttp://brew.sakura.ne.jp//brew/wyeast.htmlにも出ています)
したがって、可能な限り「十分に」エアレーションすることが重要です。
エアレーションの方法ですが、しゃもじを使ってかき混ぜるだけではエアレーション不足、雑菌も多く混入すると思われます。泡立て器を使ってエアレーションされるかたもいらっしぃますが、この場合は雑菌混入しないよう注意を払う必要があります。
発酵容器の形状にもよりますが、カーボイや密閉できる容器の場合、ウォート発酵容器に移した後、密閉して容器を前後に揺すると簡単に泡立てることができます。
容器のしたに座布団等を敷き、容器を斜めに傾けバランスをとった状態で前後に容器を揺すります。このとき容器内のウォートが回転をはじめないようきっちりと前後に揺することとがポイントです。波の跳ね返りのタイミングをとって揺すると、面白いように泡立ちます。
なお、ウォートを半量程度煮込み、後から冷水を加える場合は、冷水に酸素が多く溶け込んでいるため、それほどエアレーションに気を使う必要はありませんが、大きな鍋で全量煮込む場合はエアレーションが非常に重要になります。
さらに初期比重が1.080を超えるような高度数のレシピやラガーにおいては、「かき混ぜる」よりも「泡立てる」くらいの十分なエアレーションが必須です。怠った場合は終了比重が下がりきりません。
エアレーションによる「酸化」については全く心配ありません。イーストの初期増殖により酸素は消費し尽くされる、とする文献が複数ありますし、仮に消費されずに残ったとしても発酵で生じる炭酸ガスと共に放出されるものと思われます。
Q039:イーストの発酵には栄養とミネラルが必要と書いてありました。私の場合、水は軟水器・浄水器を通したものを使っているのでミネラルの不足が心配です。
Q:本で読んだのですが、イーストの発酵には栄養とミネラルが必要と書いてありまし
たが、 御社の商品の場合それはモルトエキスの中に含まれているのですか?また、フルマッシングの場合はどうなるのですか?
私の場合、水は軟水器・浄水器を通したものを使っているのでミネラルの不足が心配です。それとも、そんなに気にすること無いのですか?(2000年5月 沖縄県 U様)
A:
1.栄養分について
イーストの成長〜発酵に必要な栄養分はウォート中に十分存在しています。エキスでもマッシングで得たウォートでも同じです。通常のレシピではさらに加える必要はありません。
ただ、Wyeast社(液体イーストメーカ)のプロ向けカタログでは「酵母栄養剤をスタータ(本仕込みのウォートではありません)に添加するとより良い結果が得られる」旨、書いてあります。レシピによっては加えたほうが良い結果が得られるかもしれません。
なお、小麦や米、その他副原料には麦芽に比べ、酵母の栄養分が少ないようです。従ってヴァイツェンや米を加える(当店レシピではゴールデンライトエール/ラガー)レシピでは本仕込みのウォートに加えた方が、よりよい結果が得られるかもしれません。
なお、酵母栄養剤はNutrient(ニュートリエント)として売られていますが、ドライイーストで代用できます。煮込み時に19リットルあたり5グラム程度のドライイーストを加え、そのまま煮込みます。瓶詰め時に残った澱を冷凍保存しておいて加えても良いです。
2.ミネラル(Mg、Zn等の微量元素)について
蒸留水やRO(アール・オー)水はミネラルが欠如していますので、仕込み水としては不適ですが、水道水に軟水器・浄水器を通した程度では問題ないと思います。ただ、市販の軟水器のなかには、MgやNaのミネラル分を除くのではなく、ある成分を加えることで軟水を作るものがあるようです。この場合、別の意味で醸造に適した水にはならないため、注意が必要です。
Q038:エールの発酵をなるべく低温(19度)ですると味が良くなるという記述を拝見したのですが、これはキット缶にもあてはまるのでしょうか?(2000年8月 千葉県 O様)
A:確実に質が向上します。具体的にはオフフレイバー(雑味:特にエステル臭=種々のフルーティな香り、あるいはダイアセチル臭=バタースコッチ臭、)が確実に減り、すっきりとした本来の味わいになります。ただ、実際には飲み比べてみないと判別は難しいかもしれません。
Q037:適当な入門書がありましたら、ご紹介下さい。英語も多少は大丈夫です。
Q:(前略)やっぱり、一応理論を勉強したほうが良いのではないかと思い始めてきました。適当な入門書がありましたら、ご紹介下さい。英語も多少は大丈夫です。(2000年7月 岐阜県 N様)
A:下記2冊+1誌をお勧めします。ぜひ読んでいただきた本です。
1.BREWING THE WORLD'S GREAT BEERS/by Dave Miller
Storey Communications'Inc./ISBN 0-88266-775-0
$12.95(本価格は5年ほど前のもの、変更あるかもしれません)
内容は欲張っておらず、例えば水質調整等は省いていますが、代表的なペールエール、ライトエールからインペリアルスタウト、バーレーワインまで、10種類程度のスタイルのBEERについて、各々、エキス、パーシャルマッシング、フルマッシングの仕込み方法について解説しています。わかりやすく、マッシング入門、あるいはレシピ設計入門としては最適だと思います。私も基本的には本書を訳してマッシング入門しましたし、レシピ設計では今でも参考になっています。米国Homebrew
Shopから入手できます。
2.THE HOMEBREWER'S COMPANION/by CHARLIE PAPAZIAN
ISBN 0-380-77287-6
$11.00価格は5年ほど前のものです)
さらに仕込みを進めていくと、水質調整の方法やデコクションマッシングの方法等、上記「BREWING
THE WORLD'S GREAT BEERS」に掲載されていない知識が欲しくなってきます。そのときはこちらをお勧めします。
まとめて2冊入手して損はありません。こちらも米国Homebrew Shopから入手できます。
3.BREW YOUR OWN
$3.95
上記2冊とも、出来はよいのですが内容的にやや古くなっています。さらに幅広いレシピや最近の動向を知るうえではもの足りません。こちらの雑誌(年10冊発行)の定期購読をお勧めします。当店HP_LINKコーナーからこちらのHPにリンクしています。
Q036:モルトエキス1.7キログラムとホップは在庫があるのでベースモルトのみを注文したいのですが、何グラムのモルトを注文したら良いのか教えてください。
Q:いままではモルト缶大小+ホツプペレツトを使用して19リツトルのワートを仕込んでいました。今度貴社のパーシャルマッシング仕込み方式でやりたいと思うのですが、モルトエキス1.7キログラムとホップは在庫があるのでベースモルトのみを注文したいのですが、何グラムのモルトを注文したら良いのか教えてください(19リットルのワートで初期比重1040位を希望)。 (2000年2月 神奈川県 K様)
A:パーシャルマッシングではモルトエキス特有の癖(カラメルフレイバー)が少なく、かつモルトテイストが豊かな、満足できるビールができると思います。さらにモルトエキスの種類にとらわれない、非常に幅の広いレシピ設計が可能です。ぜひお試しください。
マッシングの糖分利用効率をMax.値の65%(ロイタータンを使わず、ざるでざっとスパージングする場合、これくらいの値になります)、仮にスペシャルモルトを使わないスタンダードなレシピの場合、モルトエキス1.7kg+ベースモルト1320g+小麦モルト40gでOG=1.040となります。小麦モルトは泡保ち、泡立ちを改善します。
なお、スペシャルモルトの配合により、淡色からダーク・黒、さらにはwheat(小麦Beer)まで自由にレシピ設計が可能です。この場合は若干比重が上下します。
Q035:仕込み終了から24時間経過、発酵の兆しがありません。
Q:じつは、昨日PM2:00に仕込み終了しました。あれから24時間経過しましたが、醗酵の兆しがないのです。イーストは泡がよく、においもあり、よいとおもいます。ウォートのほうもけっこう甘味がありベタベタです。初期比重は1.050でした。室温13℃〜15℃です。電気座布団の上にのせ毛布をかぶせています。雑菌の混入がこわくてまだウォートの液温をはかっておりません。イースト投入後酸素を混入させる工程がありましたがそれはおこなっていません。(2000年2月 静岡県 T様)
A:仕込まれたのは「アンバーラガー」だと思いますが、ドライイーストのラガーの場合、ウォート温度は13℃以上あれば必ず発酵します(現在、当店ラガーキットにはDCLラガーイーストを添附しています。このイーストの場合、ウォート温度が10℃あれば必ず発酵します・・・2002.02.14追記)。基本的にラガーイーストは発酵が弱いため、発酵開始までに時間がかかります。イースト投入から半日〜1.5日くらいで白い泡がぼちぼち浮いてきます。数時間でウォート一面に白い泡が広がります。T様の場合も今頃は発酵が始まっているのではないでしょうか?
それと、心配な点がウォートのエアレーションです。ドライイーストの場合、リキッドイーストに比べ比較的エアレーションの重要度は低いですが、初期比重も1.050と高めですし、あくまで「脆弱な」ラガーイーストですから、必ず実行したほうが良いです。まだ発酵が始まっていなければ今からでもエアレーションされることをお勧めします。方法は容器ごと十分揺すって泡立てます。エアレーション不足の場合、発酵開始時期が遅くなることよりも終了比重が下がりきらないことを懸念します。オフフレイバーの原因になることもあります。
最後に、室温13〜15℃で電気毛布をかぶせた場合、ウォート温度があがりすぎオフフレイバーが強くなる可能性があります。ウォートの温度を把握していただくことをお勧めします。温度確認の方法はいくつかあります。
1)温度計をアルコールor煮沸殺菌し、ウォートに浸けてはかる。この場合、雑菌汚染に十分注意してください。雑菌は空中に漂う埃(無数にあります)にも付着しています。蓋をわずかだけあけ、ラップで隠しながら、。
2)熱帯魚用のシールタイプ温度計を容器外側に貼り付ける。
3)同容量の水を入れた容器を同環境におき、水温を測る。この場合は、発酵熱のため水温+1〜3℃がウォート温度となります。
4)浅く水をいれた容器に発酵容器の底部を浸け水温をはかる。
思いつくところではこれくらいでしょうか。
なお、明日14:00の時点で発酵の兆しがない場合はまたご連絡ください。対処法を検討しますので。
T様から返信>>先ほどみたら元気に発酵していました。
回答有難うございました。アンバーですが今朝6:00(仕込み後40h経過)上面容器の縁まわりにアワがみえました。容器をふってカクハンしましたところ、先ほど見たら元気に醗酵していました。今朝は澄んだ液と沈殿物とに分かれていましたが、今は醗酵の為、液が上から下へやらあちらこちら流動していて全体がキャラメルの色一色です。温度も13℃以下にならないよう観察していくつもりです。いままでの経験では仕込み後、醗酵までにこんなに時間がかかるときはほとんど失敗していましたので万事休すかとあせりました。温度管理、対策考えていきます。
当店返信>>おめでとうございます!とりあえず安心しました。
レシピノートの記述がわかりにくかったようです。ラガーの発酵の様子についてもう少し詳しく記述したいと思います。
T様から返信>>酵母が元気であばれていてくれていますのでホッとしています。
酵母が元気であばれていてくれていますのでホッとしています。
アンバー、仕込みの第一弾、麦芽を90分66℃〜72℃?でキープするところ、ステンレスのナベが肉厚が薄いので火を止めると、たちまち温度が極度に下がりはじめあせりました。結局90分平均化するようかきまわしっぱなしでいました。ミスの連続でした。でも 非常に楽しい作業でした。
当店返信>>私の試験バッチでは、5リットルのパーシャルマッシングでは、5分おきに攪拌・加熱。10リットルの場合はほぼ10分おきで大丈夫でした。ただ、「中身」に対し鍋のサイズが大きい場合、冷えかたが早いです。マッシュの保温についてレシピノートに追加する必要がありそうです。
T様から返信>>今朝になったら醗酵がとまっていました。室温10.5℃でした。
アンバー・ラガーの件です。昨夜は室温12℃でも快調でしたので、温度調整なしのまま、毛布を2枚かけたままにしましたが、今朝になったら醗酵がとまっていました。室温10.5℃でした。慌てて電気毛布であたためましたが(20℃以下の設定)、今日の昼のときは変化なし、室温が13℃だったので放置したたままにし、夕方5:00時点でも醗酵の様子はありません。多少細かい泡はでていますが。醗酵臭は軽井沢ビールのアンバー・エールによくにたよいかおりがしてましたが危機脱出の方法はありますでしょうか?
当店返信>>まず、前提として次の点を確認したいのですが、大半の糖分が発酵してしまい、発酵が下火になってきた可能性はありませんか? ウォートを味見して甘みで判断できます。ラガーの場合はエールに比べ発酵期間は長いですが、それでも1日でほぼ発酵終了した例を聞いたこともあります。ウォートの甘みがあるとしたらラガーにありがちな発酵スタック(行き詰まり)のようです。原因として考えられることは次の2点です。
1)イースト投入時にエアレーションしなかったこと。ラガーで特に高度数の場合は重要です。初期に酸素が不足していると増殖不良(個体数が少ない)まま発酵が始まり、途中で息切れすることがあります。
2)温度変化によりヒートショックを起こした。お聞きした限りでは温度の下がりすぎが原因ではないと思います。
対策ですが、
1)温度を11℃以上で安定させてみる。
2)回復しない場合は再度イーストを投入する。その際、発酵中のウォートを1リットルほどとりわけエアレーション、イーストを振りかけてスタータを作るとなお良いです。発酵ピークが過ぎたころに本発酵容器に加えます。エールにするとさらに確実に発酵しますがここは折角なのでラガーが良いですね。
なお、私もラガーでは発酵スタックの経験がありますが緩慢な発酵が続いていればそのままにしていても恐らく1ヶ月くらいで発酵終了します。比重はかなりのところまで下がります。イースト投入からそれほど間をおかず発酵が始まっているため、それほど慌てることはないと思います。
なお、イーストが必要な場合はご連絡ください。本日中に連絡いただければ明日速達での発送も可能です。また、あと1週間ほど待っていただければ、私がちょうど今発酵させているPilsen
Lagerの澱をお分けすることもできます。
T様から返信>>今朝比重をはかったら1.020でした。
今朝比重をはかったら1.020でした。少し飲んでみましたが辛いのと苦いのと、酵母臭ありです。もう甘さはありませんでした。こんな状況ですが、対応策はあるのでしょうか?
当店返信>>比重が1.020まで下がり「甘くない」とのことでしたら、あと半月ほど置いておくことで何とか美味しいビールになるのではないでしょうか。私の場合も一時発酵に1ヶ月以上かかったことがありますが、美味しいラガーになりました。
発酵が急速に進み、発酵後期にエアレーション不足のためスタック気味になったのだろうと推測しています。現在ガスの発生量はどれくらいでしょうか?わずかでも発酵していれば良いのですが。
全く発酵していない(エアーロックが5分以上動かない)場合は活性化した酵母を追加ピッチすると、より有効です。
T様から返信>>エアーロックはまったく動かない状態です。とりあえず半月程度様子をみることにします。
現状、もう泡はでなくなり、キャラメル色が澄んできました。とりあえず 醗酵は終了したものとおもいます。エアーロックはまったく動かない状態です。とりあえず半月程度様子をみることにします。
当店返信>>了解しました。若干甘さが残るかもしれませんが、ラガーらしいすっきりした美味しいビールになると思います。なお、初期の発酵が盛んだったこともあり、これから半月〜1ヶ月寝かせても雑菌汚染の可能性はほとんどないと思います。また、ラガーの場合は酵母が沈殿したまま澱引きせずに放置してもほとんどオフフレイバーは付きません。
ただ、そのままプライミングすると多数の酵母が沈殿してしまい、瓶に入る酵母数が少なくなるうため、炭酸が入るまでに1ヶ月以上かかるかも知れません(そのかわり非常にクリアなビールになります)。これを避けるには通常の1/4程度の酵母をプライミング時に直接加えることもできます。
T様から返信>>やっと安心いたしました。
ホッと致しました。雑菌のことオフフレイバーのこと、心配していましたが、やっと安心いたしました。
当店返信>>その後の経過を教えていただけると嬉しいです。
T様から返信>>昨日比重を計りましたら1.020で、半月寝かせた状態ですが進展が無い様子です。
例のアンバー・ラガーですが、昨日比重を計りましたら1.020で、半月寝かせた状態ですが進展が無い様子です。まだこのままにしておいたほうがよいのでしょうか?
試飲の結果ですが、もう酵母臭はまったく無く麦芽の甘いかおりがあり、ホップの香りはほとんど無い状態で、味は苦味が強く甘さは無い状態でした。色は薄ちゃいろで透明度がありいい感じでした。
当店返信>>雑菌汚染もないようで、なかなか良い感じですね。これ以上は比重は下がらないようですのでビン詰めしたほうが良いようです。
酵母がやや弱っていることと、時間が経ち多くの酵母が沈殿、瓶詰めで瓶に入る酵母の数が少ないことから、炭酸が入るまでには1ヶ月以上かかるかもしれません(逆に透明度の高いビールにはなりますが)。仮に瓶詰め後1ヶ月経って炭酸が全く入らなかった場合は、その時点で新たにイースト(エールあるいはラガーイースト)を1瓶あたり数粒加えると良いです。
長い間待ちたくない場合、あるいは初めから確実に瓶内発酵させたい場合は、プライミングの際、通常の1/4程度あるいは1瓶に数粒ずつドライイーストを加える方法も有効です。健全な瓶内発酵が期待できます。ただし、この場合、現在の比重が1.020とまだ大きく、比較的多くの糖分が残っているため、過炭酸となる可能性があります。プライミングシュガーの量を通常の3/2程度に抑えてみてください。ペットボトル詰めの場合は、過炭酸になった時点でキャップを少し緩めガスを少し抜くことでも対処できるため、通常のプライミングでも大丈夫です。
それではまた。経過を教えていただければ幸いです。
T様から返信>>心配していた雑菌に犯されず、今のところ良好な状態で安心しています。ところで手元に缶入りモルトエキスがあるのですが、パーシャルマッシングでどんなビールができるのでしょうか。
おかげさまで心配していた雑菌に犯されず、今のところ良好な状態で安心しています。何もしないで放置しておくとやたら心配になりますね。早く飲んでみたくてウズウズしてますが、はやる気持ちを押さえプラミング後ビン詰めして一ヶ月まつてみることにします。
こちら静岡でも今朝は室温9℃で当地としてはかなりひえこんだほうです、こんどこそ温度管理を油断せずやりたいとおもいます。2月の終わりごろに第2段としてゴールデン・ラガーに挑戦してみたいとおもいます。またできるだけ早いうちにフルマッシングに移行したく少しずつ準備を進めています。年内に6種類ぐらいにトライ、来年はその中から的をしぼってなどと、夢はふくらんでいます。
ところで、いま私のてもとに**(当店にて編集)の缶いりモルトエキスがあるのですが購入後一年ですが、缶のフタと底がややふくらんでおり、使用期限がよく見えないのですが、だいじょうぶなものでしょうか?じつは生きるものでしたら使ってしまいたいのですが、もし使えるとするとパーシャル・マッシングでどんなビールができるのでしょうか。
当店返信>>何もしないで放置しておくと心配になりますが、(慣れてきたら)結構1〜1.5ヶ月放置する人がたくさんいらっしゃいます。
瓶詰めではペットボトルに詰められるのですよね?この場合は、強く握ってみると炭酸の入り具合がわかります。通常でしたら瓶詰め後、1〜2週間で堅くなります。十分炭酸が入った場合は親指で強く押してもへこまないまでになります。経過を教えていただければ幸いです。フルマッシングについてもぜひトライしてみてください。エキスに左右されない全く自由なレシピで仕込めるため、面白いですよ。
缶が膨らんだエキスについてですが、缶が膨らんでいるものは多少独特の癖が強くなりますが一応使えます。薄い色のエキスでしたら当店のホームページで扱っているほとんどのレシピでの醸造が可能です。エキスの癖が若干でるかもしれませんが。スタウト等、濃い色のエキスの場合はレシピが限られてしまいます(薄い色のビールは造ることができません)。エキスの種類と量を教えていただければ、ご意向を伺ったうえで、設計いたします。
T様から返信>>瓶の消毒方法について
**(当店で編集)のモルトエキス、”ビター”です。成分:モルトエキストラクト、ホップエキス、内容量:907gとかいてあります。要望としては、1.十分なコク、2.甘さがあり、3.苦味は少なく、4.ホップ香は普通、5.クリーミーな泡立ち、なんてのができるのでしょうか?
週末にビン詰めをする予定なのですが、ビンの消毒方法ですか、塩素系漂白剤であらった後、水洗い、臭気をとり水気をとる為に逆さにしてかわかしますが、ビン内が完全に乾いていないと意味がないですよね!! そうかといってあまり長い間干しておいたのではそのあいだに雑菌がはいってしまうようなきがしますし、キャップをして乾かすのも時間がかかりますし、非常に気になり相談したいのですが。また、アルコールで消毒の場合、ビン内がアルコールで濡れているうちに(ニオイもきついですが)充填してよいのでしょうか?
当店返信>>大丈夫ですよ。比較的癖が少ないエキスだと思いますのでほとんどのレシピを仕込むことが可能です。ただ、試作バッチを造って確認していないため、ホップの苦み等が若干増減するかもしれません。
上記エキスを1缶だけお持ちだと仮定して:
上記ご要望に近いレシピをピックアップすると下記5レシピが該当すると思われます。
B01/B07:アンバーエール/アンバーラガー
B05/B11:ダークエール/ダークラガー
C01:ポーター
C03:スィートポーター
選び方はお好みで構いませんが、上→下にいくほど
ボディ・コクが増えます。
色が濃くなります
甘みも強くなります
よりクリーミーな泡立ちになります
ただし、ダークエールから下はホップの苦みではなく、黒く焙煎した黒系麦芽の苦みが多少つきます。ラガーorエール については発酵温度とフルーティで華やかなフレイバー(エール)か、クリアなフレイバー(ラガー)かで選ばれたら良いと思います。
なお、10リットルパーシャルマッシングの通常のキットでは上記レシピの場合、モルトエキスを1000グラム使用しますので、そのぶん麦芽を150グラム程度増量して対処します。なお、さらにクリーミーな泡をご希望される場合は、小麦麦芽の比率を増やすことで対応可能です。価格については、上記キット価格からエキス分¥1000を減じ、増加麦芽分(〜¥100くらい)増加となります。
ビンの消毒方法について:
瓶内に残った水分は軽く振り落とす程度で構いません。実際、少量(恐らく0.5ml以下でしょうか)の水がビールに混ざっても味の変化はほとんどありません。それよりも長時間乾燥させることによる雑菌汚染のほうが心配です。消毒用エタノールの場合も同様です。少量ですから飲んでも害はありませんし、味や香りの変化もありません。
Q034:スパージングの際、お湯を少しずつ注ぐと書いてありましたが、麦汁が綺麗になった時点で、お湯を一度に注いで温度を一定に保ちながらスパージングをしてはいけないのでしょうか。(2000年8月 京都府 I
様)
A:はい ^_^ まさにおっしゃるとおりのスパージングの方法があります。「バッチスパージング」と呼ばれています。一般的な(お湯を少しずつ注いでいく)スパージングにくらべ、手間がかかりませんし、糖分回収効率もほとんど変わらないらしいです。米国のいくつかのプロも採用している方法です。詳しくは、当店ホームページ、「ロイタータン(Lauter
Tun)の作り方、使い方」http://brew.sakura.ne.jp//brew/lauter_tun.html
の最後に、「ロイタータンの使い方(バッチスパージング編)」として掲載しています。ぜひご覧ください。
なお、当店パーシャルマッシングキットのレシピノートに記載しているざるによるスパージングの方法は、このバッチスパージングを応用・簡素化したものです。
Q033:スパージングの際のロータリングは、温度が下がらないように常にマシュタンクを弱火で暖めながらする必要があるのですか。(2000年8月 京都府 I
様)
A:理想的にはスパージング終了まで当初温度を保つのが理想ですが、実際にはロイタータンを湯煎でもしない限り難しいです。スパージング中、ロイタータンに蓋をする等、温度低下を可能な範囲で抑えていただく程度で大丈夫です。
加熱しない場合、スパージング終了時には開始時よりも10℃以上温度が下がります。これによって糖分回収効率も多少下がりますが、はじめからそのぶんの効率低下を見込んだ量の麦芽を使います。当店フルマッシングキットでも、効率低下を見越して割り増しした量の麦芽を使っています。
なお、先に書きましたが、ロータリング〜スパージング中にマッシュタンを弱火で暖めることは、実際にはかなり工夫をしない限り難かしいです。例えば鍋にロイタータン用マニホルドを敷いてマッシュタンとロイタータンを兼用されている場合において、ロータリング〜スパージング中に鍋を弱火で加熱したとします。この場合、マッシュをかき混ぜない限り鍋底部分のマッシュのみが異常高温になりますが、そのために麦芽殻からタンニン等の渋み・えぐみの成分が多く溶出してしまいます。また、仮にマッシュをかき混ぜた場合は、折角ロータリングで濁りがとれ、クリアになったウォートがさらに濁ってしまいます。
Q032:現在、発酵はHPを参考にして作った段ボールの保温(冷)箱で行っています。今回、保冷パックを入れすぎてしまい、温度が17.9度になってしましました。今は、温度を22度位に調整しましたが、何か影響はないでしょうか。
Q:現在、発酵はそちら様のHPを参考にして作った段ボールの保温(冷)箱で行っています。(水を入れた7.5ガロンの鍋に発酵容器つけて、熱帯魚用の水温計で温度を管理)。今回、保冷パックを入れすぎてしまい、温度が17.9度になってしましました。今は、温度を22度位に調整しましたが、何か影響はないでしょうか。(2000年8月 福岡県 F様)
A:不具合や影響は全くないと思います。(キットに添付している)DCLエールイーストでは温度が17℃くらいまで下がってもそのまま発酵を継続するものと思います。仮に過低温になって発酵が停止したとしても、温度を上げれば、また元気に発酵を再開します。影響はほとんどありません。
なお、脆弱なラガーイーストやエールイーストでも初期比重が1.100を超えるような高度数レシピでは、温度の急変が発酵スタック(行き詰まり)や、オフフレーバーを発生させるきっかけになったりすることがあります。発酵中のウォート温度をできるだけ一定に保つことが理想です。ちなみにラガーの場合は「1日の温度変動は3℃以下」としている文献が多いです。
Q031:現在、醗酵容器で醗酵中ですが、1週間ほどで別の容器で更に醗酵させたほうがよいのでしょうか?
Q:現在、醗酵容器で醗酵中ですが、1週間ほどで別の容器で更に醗酵(澱引き?)すると、インターネットのHP(個人の方)で見ましたが、したほうがよいのでしょうか?(2000年8月 福岡県 F様)
A:一般的には澱引き(沈殿した澱を残して別の容器に移し替える)して、二次発酵(澱引き後に第二の容器で後発酵させることを言います)させたほうが、透明度および味とも、よりクリアなビールになります。二次発酵には通常カーボイ(ガラス製の狭口巨大瓶)を使います。プラ製バケツでは雑菌等混入の機会が増えることと、若ビールが空気と触れる面積が大きく酸化しやすいためです。ただ、澱引き〜二次発酵についての必要性はレシピ、温度等の環境や考え方(求めるもの)によって異なります。例えばラガーの場合はエールに比べ「味」の観点からは必要性は少ないです。ウォートが低温のため、澱引きしなくても酵母臭が付きにくいためです。ただし、ピカピカクリアなラガーにしたい場合は澱引きは必須です。また、淡色系でホップの苦み・香りが少ないビールは必要性が高いですし、ダーク系やホップの強いビールでは必要性は低いです。
Q030:ロイタータン用マニホルドを鍋に入れるタイミングですが、マッシュアウトの後でよいでしょうか?
Q:仕込みキットが到着して、土曜日に仕込みました。その中での質問ですが、送っていただいたロイタータン用マニホルドを鍋に入れるタイミングですが、マッシュアウトの後でよろしいのでしょうか。(2000年8月 福岡県 F様)
A:結論はどちらでもかまいません。先に(マッシュイン時から)入れた場合、マッシュをかき混ぜる際、チューブ等が多少邪魔に感じられると思います。後で(マッシュアウトの後に)入れる場合は、底まで沈めるのに揺すったり棒状のもので沈めたり、多少手間がかかります。私の場合は、はじめから入れていましたが、たまに入れ忘れた場合は後から沈めていました。どちらでも問題はないようです。(現在は他の方式のロイタータンを使っています)
Q029:おすすめのハーブビールのレシピ等ありましたらお知らせください。
Q:職場がハーブの苗を生産している農場なので、ハーブを使ったレシピ等にも興味があります。なにかおすすめのハーブビール(?)のレシピ等ありましたらお知らせください。(2000年8月 宮城県 S様)
A:ちょうど仕込んでみたかったレシピですが、Brew Your Own誌の1999/11号から。美味しそうなので、アレンジしてうまくバランスがとれたらキットにしてしまおうと考えていました^_^
「ローズマリーIPA」(IPAは比較的度数が強く、ホップの苦いビールです):初期比重=1.062、IBU=52。2oz(1oz=約28g)の乾燥ローズマリーを使い、1.5ozは60分煮込み、残り0.5ozはドライホップです。ご興味ありましたら詳細メールします。種々のハーブを手軽に試すには、ホワイトリカーにハーブを2日ほどつけ込み、ビールとブレンドして飲んでみると良いですよ。この方法であらかたあたりをつけてから本仕込みです。
Q028:ザーツを31g持っています。ドライホップとして使いたいのですが、何グラム加えたらよいでしょうか?
Q:ザーツを31g持っています。ドライホップとして使いたいのですが、上のキット(ゴールデンエール=A03−P10=当店注釈)であれば何グラム加えたらよいでしょうか?また、ほかのキットでザーツを使えそうなキットがあれば教えてください。(2000年6月 大阪府 Y様)
A: ザーツもまた良い香りですね。ドライホップの使用量は19リットルあたり約28グラム(10リットル換算では14.7グラム)が標準です。ドライホップ特有の(青臭い)香りが苦手な場合は標準の半分、お好みの場合は2倍にしても構いません。なお、ドライホップは瓶詰め後、時間と共に変化(減少)していきます。はじめは「ちょっときついかな」くらいのほうが1ヶ月以上置いたときに適当になると思います。
ザーツを使えそうなキットについてですが、基本的に、例えば「チェコのピルスナータイプを仕込む」等にこだわらない限り、どんなタイプのビールにも合わないことはありません。ただ、ザーツの持つ繊細な特徴をいかすとしたらやはり淡色系(ゴールデン系やゴールデンライト系)となりそうです。
Q027:瓶詰め後の温度管理はどのくらい気を遣うべきなんでしょうか?
Q:瓶詰め後の温度管理はどのくらい気を遣うべきなんでしょうか?
私なりにいろいろ調べてみたのですが、1次・2次発酵中の温度管理に関する情報はあってもプライミング中や終了後についてはほとんど情報がありません。あまり議論されていないということは、「気にする程のことでもない」のだろうと判断したのですが、そうは言ってもこの暑さなので、今は瓶詰め後も発泡スチロールの箱で保冷剤を入れて保管しております。(2000年8月 神奈川県 K様)
A:瓶詰め後、ビールに十分な炭酸が入るまではその酵母が発酵可能な温度を保つ必要があります。例えばエールでは15℃(あるいは18℃)以上、1週間〜場合によっては1ヶ月以上かかることもあります。
一旦炭酸が入った後は、一般的には10℃以下の低い温度で保存するのが理想です。ただし、現実的には瓶詰めしたビールを何十本も冷蔵庫に入れるわけにはいきませんので、「できるだけ涼しいところ」で保存し、劣化や熟成の度合いをみながら、美味しいうちに消費するのが良い、ということになります。この、「美味しい期間」は環境やレシピで異なるため一概には言えません。常温では2ヶ月で美味しくなくなる場合もありますし、常温で一年以上美味しい場合もあります。余談ですが、知人が冷蔵庫で3年間保存したビールはキラキラクリアで素晴らしかったそうです。ただしもちろんホップ等の香りはほとんど無くなりますが。
以下、さらに余談です。それでは、「10℃と3℃ではどちらが?」となりますが、レシピやその他の条件によって異なります。具体的には、「保存性の(=劣化速度をより遅くする)」観点から言えば、10℃よりも3℃のほうがさらに理想ですが、「瓶内で酵母の作用(微弱発酵等)を継続させ、熟成させる」観点からは3℃よりも10℃のほうが良いことになります。実際、低温よりも13〜15℃で保存するほうが良いビールがあります。瓶内でさらに酵母の作用を進める必要がある、一般的には高度数のタイプ、例えばバーレーワインやトラピストエール、インペリアルスタウト、等のビールです。
さらに温度を下げ、一部凍らせた場合ですが、「凍らせると品質が落ちる」とする文献が多いです。もちろん寒冷混濁(チルヘイズと呼びます)による濁りは発生するものと思いますが、「味」そのものが劣化するとは個人的には思えません。例えばアイスビール(凍らせることで水分を除去し、度数を上げるビール)が良い例です。
最後に、「ビールは新鮮であればあるほど美味しい」とよく聞きますが、酵母をろ過しないHomebrewing
beerに限っては当てはまりません。確かにホップや麦芽の香りは時間と共に弱くなりますし、劣化も進行します。反面、熟成させることによるある種の味わいがでてきます。このあたりの「バランス」を見ながら味の変化を自由に楽しめるところがhomebrewingならでは、ですね。
Q026:コーネリアスケグの冷却について
Q:コーネリアスの場合冷却はどうしていますか?入るような冷蔵庫があればいいのでしょうが、今のところ、それは無理ですし。(2000年8月 東京都 K様)
A:私の場合、ケグ(樽)は冷却せず外に出してます。「カーボネータ」あるいは当店「CO2バルブ」を使います。
手順は
1)1.5リットルペットボトルにビールを樽からジャーっと注ぎます。泡が5〜8割くらいを占めますが気にしません。
2)カーボネータでキャップし、ボンベのガスを繋いで数回激しく振ることで、1)で抜けた炭酸を補充します。
3)これを冷蔵庫で冷やし、翌日飲みます。
4)ペットボトルのビールが無くなったら(or少なくなったら)、1)の手順(ビールを補充)に戻ります。
この繰り返しです。全く面倒ではありませんし、長期間保存しないので1)での酸化や劣化もほとんどありません。
ただ、常温で保存するケグbeerは劣化が早いです。高温季はケグ詰め後、2ヶ月目ころから急激に劣化が始まります。やはり冷蔵庫に入れるのが理想です。ケグビールを冷蔵庫で保存すると、フィルターを通したようなキラキラクリアなビールになります。
Q025:カーボイへのラッキングの時期、カーボイのサイズ、必要な物について
Q:以前からカーボイは欲しいと思っていたので、思い切って買おうかと思うのですが、使い方についてちょっとお聞きしたいのです。普通煮込んで冷却したウォートは1次発酵容器に入れてイーストをピッチしますね。それをどの段階でカーボイに移すのでしょうか。そして、5ガロンバッチの場合、カーボイは5ガロンでいいのでしょうか。それとも6ガロンのものが必要でしょうか。また、どうせなら、セラーから買ってみようかと思うのですが、この際、ついでに何か買っておくといいものとか、アドバイスがありますか。(2000年8月 東京都 K様)
A:
カーボイへのラッキング(澱引き〜移し替え)の時期について:
一次発酵がプラ容器、二次発酵がカーボイの場合は一次発酵が終了した後、カーボイにラッキングします。エールの場合は高温のため酵母臭が付きやすいので、比較的早め(泡の層がほぼ無くなったころ)に、ラガーでは酵母臭が付きにくいことと、できるだけ瓶にタイル酵母を少なくしたいことから、泡の層が完全に無くなってからで良いです。移し替えた後、1〜2週間、ラガーでは1ヶ月くらいで瓶詰め、です。ケグ詰めの場合は、カーボイで一次発酵させた後、直接ケグに詰める事が多いです。後日ケグの底に澱が沈んだころに、さらにケグからケグにビールを移し替えてもよいですし、私の場合はそのまま。飲んでいるうちに澱引きされます^^;; 非常にクリアなビールになります。
カーボイのサイズについて:
5ガロンバッチ(仕込み)で一次発酵がプラ容器、二次発酵がカーボイの場合はカーボイは5ガロンで十分です。
一次発酵でカーボイを使う場合は、正味5ガロン仕込みたければカーボイは6〜7ガロンのものが必要です。5ガロンカーボイで一次発酵を行なう場合は、最終的に4.5ガロンくらいしかビールができません。なお、この場合、二次発酵用に別のカーボイが必要です。一旦プラ容器等に待避させ、カーボイを洗った後、戻す方法を採ればカーボイは1個で済みますが、雑菌混入や酸化の機会も増えるため、あまりお勧めできません。
なお、6.8〜7ガロンカーボイは、平均的日本人には大きすぎ・重すぎるように思います。私は5ガロンと6.8ガロンを各々持っていますが、6.8ガロンのほうはかなり厄介です。
必要な物について:
カーボイは重いうえに濡れると滑りやすいため、カーボイハンドルが必要です。頑丈な布製(キャンパス生地の)バッグなども一部(海外の)shopで売られていますが、こちらでも良いです。なお、ウォートが入ったカーボイのハンドルを急激に持ち上げたりするとカーボイが首のところから破損することがあるようです。丁寧に扱う必要があります。
カーボイブラシも必要です。瓶洗いブラシを大きくして、毛先の途中からカーボイの形状にあわせて「く」の字に曲げたものです。これがないと内部を洗うことができません。
Q024:加熱は出来る限り強い方がいいのでしょうか。
Q:加熱は出来る限り強い方がいいのでしょうか。いつも、どの程度で良いのか迷っています。あまり強くすると吹きそうだし...(2000年7月 東京都 K様)
A:通常レシピでは勢い良く元気に循環するくらいの強火が良いです。フルマッシングでは90分、パーシャルマッシングで60〜90分程度です。オフフレイバーの原因となる物質がこれにより揮発すると共に、不要タンパク等の雑味成分が凝固沈殿(ホットブレイク)します。ただ、あまりに強火では色が濃くなると共に、カラメルフレイバーも強くなります。これを逆手にとって一部小分けしてグツグツ煮込むことでわざと色と味を付けることもできます。
なお、淡色系のレシピでは心持ち火力を弱めに、フルマッシングでも60分間くらいに短く煮込んだほうが色が薄く、カラメルフレイバーもつきません。すっきりと仕上がります。
Q023:ペレットホップをフレイバー用に使用する場合も煮込まなくても良いでしょうか。
Q:キット缶で砂糖を使用せずにモルトエキス追加で使用する場合も煮込まないほうが良いのでしょうか。その際、ペレットホップをフレイバー用に使用する場合も煮込まなくても良いでしょうか。(2000年7月 東京都 N様)
A:エキスは本来は煮込んだほうが不要タンパク等が凝固〜沈殿するため(ホットブレイクと呼びます)、好ましいのですが、アロマホップを別に用意していない場合は煮込みによってアロマ成分が揮発してしまいます。したがって、キット缶で砂糖を使用せずにモルトエキス追加で使用する場合についても、アロマホップを別に加える場合は煮込んだほうが良く、アロマホップを加えない場合は煮込まないほうが良い、となります。ペレットホップをフレイバー用に使用する場合はもちろん煮込んだほうが良いです。
Q022:ペレットホップはそのままウオートに入れる様に思いそのまま投入しましたが、濾し袋等に入れた方が良いのでしょうか。
Q:質問ですが、レシピノートではペレットホップはそのままウオートに入れる様に思いそのまま投入しましたが、濾し袋等に入れた方が良いのでしょうか。醗酵容器に移す際に底の方に沈んではいますが、醗酵容器に入れない様にしようとすると、かなりの量(1割強ぐらい)のウオートを残す気がしまして。(2000年7月 東京都 N様)
A:結論ですがどちらでもかまいません。
濃し袋に入れた場合はホップの抽出効率が若干下がりますが、おっしゃるとおりウォートの無駄がありませんし、ウォートの分離は簡単です。ただ、濃し袋を洗ったりする手間はかかります。入れない場合は逆になります。
私はものぐさなため、濃し袋は一時使ってましたが後始末等が面倒なため今は使っておりません。
使わない場合は、冷却後、15分くらい静置するとホップ滓等が綺麗に沈殿し、分離し易くなります。
さらにオプションとして、静置前にスプーン等で鍋をかき回し、ウォートの渦を作ります。こうすることでホップ滓は鍋底中央にちょうど富士山のように堆積します。富士山を除け、サイホンで移し替えれば完璧です。
Q021:比重計は無くてもうまくいくのでしょうか?また、入手先と価格は?
Q:以前からビール造りには興味があったのですが、よくあるモルトエキスのキットではできばえが心配で(自分で作っても市販品よりまずかったら意味がないと思っています)今一歩踏み出せないでいましたが、HPを見て、この方法だったら結構いいものが作れるかもしれないと思い、決心しました。ところで、比重計が無くてもうまくいくのでしょうか?また、必要であれば、どこでいくらくらいのものなのでしょうか?(2000-01-08 東京都 S様)
A:HPをご覧いただきありがとうございます。
モルトエキスのみで造ったビールでも、大手メーカのビールに比べるとコクが非常に強く、はじめは確かに美味しいかな?という気がします。ただ、どうしてもエキスからくるカラメルフレイバーが抜けきれず「わざわざ手間をかけて造るよりも買ったほうが・・」となってしまいます。折角手間をかけて造るのですから、はじめから最高の材料と方法で本当に美味しいビールを楽しみたいものです。
比重計は、あればもちろん便利ですがはじめはなくても全く構いません。アルコール度数は使う材料の量と仕込む水の量でほぼ決まるためです。ただ、今後もレベルアップして仕込まれるのでしたら、最終的には必要です。
比重計は海外のshopでは$5くらいから、東急ハンズではたぶん¥2300です。もちろんはじめから入手されるのも良い方法ですが、まず比重計無しで仕込まれ、あれこれ欲しい物がでてきた段階で(海外shopには魅力的なものがいっぱいです)、いくつかまとめて個人輸入するのも一案だと思います。(2001.08.23追記 現在は当店でも比重計を扱っています)
Q020:ほとんど泡が立ちませんでした。
Q:今日第1回目の試飲をしました。瓶詰め後8日です。問題が発生しました。ほとんど泡は立ちませんでした。温度も確保し、ペットボトルの状態も上記(注釈:本mail以前にいただいたmail−>「少しは硬くなりましたが、つぶれない程にはなりません。」)のようになっているのに関わらずです。ということは何が原因なのでしょうか?プライミングシュガーの量、保温温度も間違いないのですが・・・・
(1999-12-02 岩手県 Y様)
A:
炭酸が十分入った場合のペットボトルの見極めについては、表現が難しいですが、「親指で思いっきり押して、5mmほどつぶれるくらい」であれば恐らく大丈夫です。この状態で試飲し、泡が立たない、あるいは少ない場合は残りはさらに2週間以上置く必要があります。
Y様の場合、瓶内発酵のスピードが遅く(失敗ではありません。環境や条件によって瓶内発酵のスピードは大きく左右されます)、炭酸ガスは発生しているもののまだ泡がでるだけの十分な量発生していないものと思います。時間をおけば99%大丈夫です。
一般的に1ヶ月以上おいても泡が立たない原因としては
1)プライミングシュガーの量を間違えた−>Y様の場合これはなし
2)瓶詰め時に酵母が全滅していた−>ひ弱なラガー酵母と酵母にとってストレスが大きい高度数beerの組み合わせ、さらに急激な温度変化によるショックを与えた、等、悪条件が重なった場合でのみ発生するため、Y様の場合、この可能性もありません。
さらに、Y様の場合は瓶詰め後にペットボトルが少しは膨らんでいるため酵母は確実に瓶の中で生きていると思われます。
瓶に入った酵母の数や活性、環境が良い場合は瓶詰めから1週間くらいで十分泡立ちますが、いずれかが不足すると2週間から1ヶ月、希には2ヶ月かかる場合もあります。私の場合でも1週間で泡が入るケースは5割程度です。
8日目で「ほとんど泡がでなかった」ことを考慮すると、あと1ヶ月くらいかかるかもしれません(その間にbeerも熟成し、より美味しくなるため慌てる必要はありません)。なお、暖かく(20℃程度)、温度変化が少ない場所に置くと、より早く泡が入ります。
最後に、おそらく大丈夫だと思いますが、ボトルのキャップからガスが漏れていないことを一応確認してみてください。確認の方法は、ボトルを強く押さえ、キャップのところからガスが漏れる気配がないかどうか、です。洗剤を薄め、キャップの周りに塗ればガスが漏れている場合は泡がでるため、より確実に判断できます。
Q019:マッシングが上手くいかず初期比重が低くなってしまいました。
Q:パーシャルマッシングキットを仕込んでみて疑問点が発生しましたので教えて下さい。
1.マッシング時に適温(68度)になったので真空保温鍋で保温しました。すると、20分経過後の温度が入れる前よりも6度程度上昇しており、あわてて水を追加し温度を下げました。糖化に伴う化学反応により発熱したのでしょうか?温度を確認しつつ徐々に加熱したので、余熱で上昇した可能性は低いです。
2.時に高温になったのが原因かもしれませんが、初期比重が想定(1.042)より低くなりました(1.037)。今からでも間に合う対策はあるでしょうか?
3.糖化・スパージング後の麦汁の比重はどの程度になる予定でしょうか?今回は失敗ぎみのため少しは甘くなったものの、成功した場合はどの程度になるのかを知る必要があります。
(1999-12-02 岩手県 Y様)
A:
原因について:
マッシング中のマッシュの温度は測定方法でかなりばらつきます。例えば、1)かき混ぜた直後、あるいはかき混ぜ中に温度計が示す温度は実際の温度よりも5℃ほど低いです。2)温度計をマッシュの個体(麦芽)部分に置いた場合と液体部分に置いた場合とでは、示す温度が6℃以上異なります。これはマッシュの液体と固体の比熱の違いによるものらしいです。
したがって、マッシングの温度の測りかたは、加熱を止め、さらにかき混ぜ続けた後、温度計を鍋の中央部にセットしそのまま1分放置してから測る必要があります。どちらかのケースがあてはまらないでしょうか?
(・・・その後レシピノートを見直し、記述を上記に沿って改めさせていただきました。)
対策について:
1)煮込みの途中でしたら蒸発で仕込量を減らせば比重が増えます。具体的には比重1.037で10リットルのウォートを比重1.042にするにはイースト投入時のウォート量を8.8リットルにすれば良いです。
2)初期比重1.037は確かに若干低いですが、十分美味しいビールになります。モルトテイストは多少少なくなりますがそのぶんすっきりとしたビールになります。
3)既に発酵中で、どうしても比重を上げたい場合は、比重の高いビールを発酵させ、瓶詰め時にブレンドすることも可能です。例えば1.037と1.047のビールをブレンドすると1.042になります。
糖化・スパージング後の麦汁の比重について:
パーシャルマッシング、レシピノートの「海外での造りかた」での水と麦芽の比率では、糖化後−>1.080くらい、スパージング終了時−>1.055くらいです。最終的に仕込量まで水で薄めると初期比重1.042〜44となります。
Q018:モルトエキスだけで仕込むとどうしても甘いというか、くどい感じのビールになってしまいます。どうしてでしょうか?
Q:これまでに40回ほど様々なモルトエキスを使って仕込みました。モルトエキスで仕込むとどうしても甘いというか、重く、くどい感じのビールになってしまいます。どうしてでしょうか。(1999-11-18 静岡県 N様)
A:モルトエキスの種類にもよりますが、モルトエキスはその製法上、どうしても一部の糖分がカラメル化してしまいます。これによりビールにカラメル特有の風味と甘さがつきやすいようです。小さな鍋で煮込んだ場合はより顕著です。
スコッチエールや濃厚なビールを仕込む場合はそれほど気になりませんが、淡色系やすっきりした後味のビールがお好みの場合、このカラメルフレイバーが気になることが多いようです。
・・・その後、アドバンストブルーイングのパーシャルマッシングキットを仕込まれ、「モルトエキスだけで仕込んだビールと比べ確かに美味しい」とのご評価を電話でいただきました。
Q017:初期比重がレシピノートよりも高いのですがどうしてでしょうか?
Q:パーシャルマッシングのレシピでレシピノートには「初期比重1.044」とありましたが実際に仕込んでみたら1.050でした。どうしてでしょうか?(1999-11-18 静岡県 N様)
A:パーシャルマッシングのキットでは、マッシングが不慣れなかたのため、さらにスパージングを簡単にするため、麦芽を通常のおよそ1.6倍添付しています。具体的には、糖分抽出効率の最高値を100として、通常(慣れたかたが丁寧にスパージングをした場合)は80くらいですが、アドバンストブルーイングのキットでは50で計算しています。実際に、レシピノートの通りにざっとスパージングすればこれくらいの効率になりますが、(質問者のN様のように)慣れたかたの場合は効率がよいためどうしても初期比重が上がってしまいます。
どうしてもこれを避けたい場合は、1)仕込みに使う麦芽かモルトエキスの量を減らす、あるいは2)仕込み量を増やすことで対処してください。
・・・1999年12月、実際にキットを仕込まれたかたのデータを参考にレシピの見直しを行い、上記麦芽の糖分抽出効率を55〜65%(麦芽の種類によって変わります)に調整しました。
Q016:シンクでウォートを冷やすと何分くらいかかりますか?
早く冷やそうと思ったらウォートチラーがあった方が良いでしょうか?(1999-11-16 奈良県 I様)
A:「恐らく」で申し訳ありませんが、5リットル仕込みでは15分、10リットルでは30分、19リットルでは50分くらいでしょうか。冷却にはもちろんウォートチラーを使うのが理想です。急冷するほどコールドブレイクと呼ばれるタンパク等不要成分が凝固沈殿するため、ビールの質が向上します。
Q015:マッシュアウトは温度管理が微妙で難しく感じるのですが、省略可能ですか?
また、その場合マッシュアウトした場合に比べてどのような違いが生じるのですか?(1999-11-16 奈良県 I様)
A:マッシュアウトは単にマッシュの温度を上げるだけなので、それほど難しくはありません。ただ、面倒であれば省略可能です。この場合、糖分が麦芽滓に多く残るため効率が10%ほど減少します(初期比重が若干小さくなります)。逆に麦芽滓に含まれる渋み、えぐみ等の雑味成分が溶出しにくくなるため、特に淡色系ビールではより優れたビールができる可能性もあります。
Q014:マッシングの時間は60-90分とレシピには書いていますが、できれば長いほど良いのでしょうか?(1999-11-16 奈良県 I様)
A:通常は60〜90分で全てのデンプンが糖化します。したがってこれ以上マッシングを続けても意味がありませんし、分子量の小さな糖への分解がすすみ、コクがなくなる可能性もあります。
Q013:ビン詰めが面倒なので、ケグを使ってみようと思います。技術集に意外に安価で簡単とありますが、いくらくらいかかるのですか?
Q:ビン詰めが面倒なので、ケグを使ってみようと思います。技術集に意外に安価で簡単とありますが、いくらくらいかかるのですか?
ボンベなども必要と思われますがいかがですか?(1999-11-16 奈良県 I様)
A:ケグ(樽)には大別して2つのタイプがあります。
1つは生ビール用樽として流通しているもの(サンケイケグ=居酒屋の店先で良く見かける寸胴のもの)と、もう1つはコーラ等の炭酸飲料を入れる容器として流通しているもの(コーネリアスケグ=カラオケボックス等でよく見かける縦長の物もの)です。
ここでは、取り扱いが簡単で比較的安価に入手できるコーネリアスケグについてご説明します。
コーネリアスケグを国内で安価に安定入手できるルートは現在のところ見つかっていませんので個人輸入することになります。(ご存じのかたがいらっしゃいましたら教えてください)
個人輸入では中古5ガロン(約19リットルケグ1個付き)のケグセットアップが$140〜150。米国でしたらこれが必要な物全てです。
このケグセットアップを日本国内では使用する場合にはさらに次の点を考慮しなければばりません。
1.ケグセットアップには通常炭酸ガスボンベが付いていますが日本国内では使えないので除いてもらいます(ボンベの価格を割り引いてくれます)。
2.ボンベは酒屋からのリースが安価です。補償金¥5〜7000および中身(炭酸ガスおよび充填代)¥2500くらいです。実際にはガスがなくなったら充填済みのボンベごと交換します。ただし、このボンベは生ビール樽使用を前提にビールメーカが低価格で流通させている物ですので、リースに応じてくれない酒屋もあると思います。
3.レギュレータ(減圧器=ガスボンベに取り付けるメータがついたもの)のナット(炭酸ガスボンベに取り付ける部分)が国内規格と合わないので国内規格のもの(¥500くらい)と交換します。ただし、PL法がらみで米国国内でもこのナットが外れないものも出回っているようなのでケグセットアップの発注前に確認する必要があります。
ケグ関連用品は http://www.heartshomebrew.com/co2.html が扱い店の一例です。
他にもたくさんのshopで扱っています。
ケグの追加は中古5ガロンケグで1個$25くらい、6個$100と格安の店もあります。
個人輸入は簡単です。実際に輸入される場合はお手伝いできると思います。
ちなみにケグ1個の重量は約3.2kg、梱包重量5.5kg程度、アメリカからの船便輸入では送料は$29弱くらいです。
最後に、リンクのページから行けるいくつかのホームページにもケグについて詳しい解説があり、参考になります。
こちらでも扱いを開始しました。
Q012:1次発酵が完了してどれくらい1次発酵容器に保存しておくことが出来るのでしょうか?
Q:次発酵が完了してどれくらい1次発酵容器に保存しておくことが出来るのでしょうか?
この冬を越せるだけ今のうちにストックを作っておきたいのですが、出来ればればビン詰めをしないで、一次醗酵用の容器に保存しておこうと思います。例えば2ヶ月後にビン詰めをしてプライミングの砂糖を入れても炭酸を発生させなかったり、変な味になったりしないでしょうか?(1999-11-16 奈良県 I様)
A:一次発酵容器に保存して置くことが出きる期間は、温度その他の条件によっても変わるため一概にはいえませんが1ヶ月が目処です。これ以上置くと酵母臭がついたり、雑菌に感染する機会が増えたり、さらにはおっしゃるとおりプライミングで発酵しなかったりのトラブルの可能性が増えます。
Q011:ビールキット「Grand Cru」の仕込みで、コリアンダーは挽かなくても良いのでしょうか?
Q:(前文省略)無事到着、中身を確認致しました。とてもとても詳しいノートで、びっくりしました。あれなら初めてでも不安なく望めます。一つだけ疑問なのはコリアンダーシードをひかなくても良いかということです。(以下省略) (1999-10-21 京都府 N様)
A:(レシピノートに)肝心なことを書き落としました。申し訳ありません。
結論はお好み次第です。
1)粒のままでは−>若干味と香りが薄くなる気もしますが、そのぶん上品な感じ
2)挽いた場合−>味と香りが強くでます、多少荒い感じ
3)つぶす程度では−>上2つの中間くらい
私の好みは粒のままですが(つぶすのが面倒なせいもあります^^;;)、初めは軽くつぶしてみるのが良いかもしれません。
余談ですが(混乱させてしまうようで申し訳ないのですが):
1)キットに添付している量は通常目にするレシピより多少控えめです。このほうが上品でよいです。
2)加えるタイミングも様々です。
煮込まないで沸騰終了後に加える/1〜30分煮込む/二次発酵(瓶内発酵ではない)で発酵容器に直接加える/ホワイトリカー浸けておいたものを瓶詰め時に加える(この方法は様々なスパイスやナッツ、コーヒー類を他を試してみるときに有効です)
いろいろと試してみてください。
Q010:麦汁を回収する際に、麦芽滓を絞る必要はありますか?
(1999-11-03 東京都 O様)
A:絞らないほうが良いです。これもレシピノートに追記します。
キットでは麦芽の量を最も効率がよい場合の2倍量添付していますのでスパージングもレシピノート程度にさっとやれば大丈夫です。
麦芽の殻にはタンニン等、ビールにえぐみ、渋みをつける物質が多く含まれており、絞ることでこれらが溶けだします。スパージングを丁寧に多くやりすぎても同様です。ポーター等、僅かなえぐみ、渋みが特徴になっているレシピもあるので一概にこれらが悪いわけではありませんが、淡色系ビールでは不快味、不快臭として目立ちます。
ちなみにタンニン等が溶けだし易い条件は、温度が77℃以上、PHが6以上(麦汁のPHは5.5程度、これがスパージングを繰り返すとPH7に近付きます)です。
より雑味を減らすために全くスパージングしない場合もあります。
なお、K社の「一番絞り」のネーミングため、麦汁を「絞る」イメージが一般的ですが、beer醸造工程ではもともと絞る工程はありません。スパージング(濯ぎ)が一般的です。ちなみにK社の場合はスパージングしない代わりにある程度の圧をかけて麦汁を回収しているようです。
Q009:マッシュ攪拌の際、空気を混入しないよう注意する方法はありますか?
Q:キットに付属しているレシピノートには、「マッシュ攪拌の際、空気をできるだけ混入させない」とありますが注意する方法はありますか?(1999-11-03 東京都 O様)
A:ばちゃばちゃと盛大にかき混ぜることをできれば避けたほうが良い、程度のニュアンスでとらえていただいて構いません。実際、ばちゃばちゃしたり鍋ごとザーッと移し替えても私の鼻や舌では味の劣化は全く感じません。なお、レシピノートの表現も若干修正しました。
Q008:モルトエキスを入れ忘れました。発酵が始まりません。
Q:(前文省略)・・さて、本日、初の仕込みを終えました。レシピノートは分かり易く、混乱はありませんでした。ところがなんと、モルトエキスを入れ忘れるという大失態・・・・・。気づいたのもアロマフレーバー用ホップ投入後でした・・・。その後、モルトエキスを投入、15分ほど加熱し、レシピの工程に戻ったのですが・・・・・。イーストを入れても発酵が始まりません。
(中略)
とりあえず、発酵容器の様子を観察していきますが、何かよい手立てはあるでしょうか?ペットボトルに詰めることはできるのでしょうか?(1999-10-31 東京都、O様)
A:ご安心ください。アロマ・フレイバー用ホップ投入後モルトエキスを加え、15分ほど加熱しておられるのでそれほど問題はありません。国内の手造りビールの本には「モルトエキスを加えて長時間煮込むことでクリアなビールが得られる」とありますが、私の実感としてはそれほど影響はありません。現に米国では「モルトエキスを加え、殺菌のため5分間煮る」あるいは「煮込まない」としているキットもあります。
なお、モルトエキス入れ忘れと、発酵が始まらないことの関係はありません。イースト投入時のワート温度が40℃を越えてさえいなければイースト投入後6〜24時間で必ず発酵が始まります。もう少し待ってみてください。
(その後「無事瓶詰めまで終了した」との連絡をOさんよりいただきました。また、アドバンストブルーイングでもレシピノートを見直し、入れ忘れにくいような書き方に修正しました。)
Q007:手造りビールは「市販ビールのような泡は無理」?、また「酸味がでて当然」ですか?
Q:ある手造りビールの本に「手造りビールは市販ビールのような泡は無理」、さらに「酸味が出て当然」とありましたが本当ですか?(1999-11-03 アドバンストブルーイングで自作した質問)
A:どちらも間違いです。
1)泡について:ビールの泡の質や量は「手造り」か「市販」かで異なるのではなく、レシピ(原料の量や配合)によって決まります。例えば小麦等を加えたレシピでは質の良い泡が得られます。ただし、(瓶詰めする)瓶やグラスが汚れている場合や、脂肪分を多く含む材料(ココア、ナッツ類、他)を加えるレシピでは泡立ち・泡保ちが悪くなることがあります。
2)酸味について:手造りビールで酸味があるのは、そのビールが雑菌(主に野生乳酸菌)に汚染されているからです。故意に乳酸菌を加えたビールやフルーツビール等は除きます。原因は、1)器具の殺菌が不十分だった、2)ウォートの冷却以降の工程のどこかで雑菌が入り増殖した、のいずれかです。器具をきっちりと殺菌し、雑菌が入らないように注意すれば、たとえ真夏に仕込んだとしても酸味がでることはありません。
Q006:ドライイーストを予備発酵させる必要はありますか?また、このときレモン汁を加える必要はありますか?
Q:多くの国内の手造りビールの本では「スムースに発酵を開始させるため、ドライイーストを予備発酵させる」とありますが本当でしょうか? また、予備発酵の方法として「砂糖水にレモン汁を加えた液体にドライイーストを振りかける」とありますがこれについてはどうでしょうか? (1999-10-10アドバンストブルーイングで自作した質問)
A:適量のドライイーストを使う場合においては、ドライイーストの予備発酵は必要ありません。むしろ水和化(水に戻す=沸騰後冷却した水にドライイーストを振りかけ10分放置)のほうが重要です。また、「砂糖水で予備発酵」させるとイーストの健全な発酵が阻害されます。砂糖水にはイーストの増殖に必要な栄養素や微量元素が欠けているためです。「レモン汁」も必要ありません。(詳細は近日掲載します)
Q005:発酵中に発酵容器を揺する必要はありますか?
Q:多くの国内の手造りビールの本では、「発酵中に発酵容器を揺すって酵母を沸き立たせるほうがよい」とありますが本当でしょうか?(1999-10-10アドバンストブルーイングで自作した質問)
A:一般的には発酵中に発酵用機を揺する必要は全くありません。ただし、特殊な条件、例えば沈殿凝集性が非常に高い酵母を使った場合や高度数のビール、発酵限界ぎりぎりの低温で発酵させた場合、等で終了比重が予定値よりも下がらなかった場合には有効です。
Q004:ベースモルトとクリスタルモルトの違いは?クリスタルモルトでマッシングはできますか?
Q:ベースモルトとクリスタルモルトはどう違うのでしょうか?ある手造りビールの本に「クリスタルモルトでマッシングしてビールを造る」とありましたがこれは可能なのでしょうか?(1999-10-10アドバンストブルーイングで自作した質問)
A:ベースモルトはビール醸造の基になる麦芽です。これを基本としてその他のスペシャルモルトや副原料を加えレシピを決めていきます。
ベースモルトはその内部に糖化酵素が活性状態で含まれています。製麦(モルト製造)工程で酵素が不活性になるまで温度を上げないためです。したがってベースモルトを砕き湯に浸けることでモルト中のデンプンを糖化酵素が糖分に分解します。これがマッシングです。
一方のクリスタルモルトはビールの風味付けの麦芽です。ベースモルトに加えることでビールのコク、甘みを増やす働きがあります。イースト菌がアルコールに分解することが困難な高分子量の糖分を多く含んでいるためです。
クリスタルモルトには活性状態の糖化酵素が含まれていません。製麦工程で糖化酵素が不活性になるまで温度を上げるためです。したがってクリスタルモルトのみでマッシングを行なうことはできません。
Q003:一次発酵、二次発酵、瓶内発酵、カーボネーションの違いは?
Q:多くの国内の手造りビールの本では「一次発酵発酵は発酵容器内での発酵、二次発酵は瓶内での発酵」となっています。アドバンストブルーイングのホームページでは「発酵容器内での発酵を一次および二次発酵、瓶詰め後の発酵は瓶内発酵あるいはカーボネーション」としており、表現が違っています。どちらが正しいでしょうか?(1999-10-10アドバンストブルーイングで自作した質問)
A:国内での手造りビールの本では残念ながら「二次発酵は瓶内の発酵」としているものが大多数ですが、これは適切な表現ではありません。次の呼び方がより適切です。
- 一次発酵:発酵容器内での盛んな発酵。主発酵とも呼ぶ。
- 二次発酵:主発酵が収束した後、新たな容器に移し替えた後、さらに継続する微弱な発酵。後発酵とも呼ぶ。容器を移し替えない場合は二次発酵と呼ばず後発酵と呼ぶことが多い。
- 瓶内発酵:瓶に詰め、炭酸を溶け込ませるための発酵。炭酸を溶け込ませる作用に着目し、カーボネーション、あるいはセカンドコンディショニングとも呼ぶ。
Q002:手造りビールでは食中毒の心配はありませんか?
Q:手造りビールでは、食中毒の心配はありませんか?
(1999-10-10アドバンストブルーイングで自作した質問)
A:ビールはPH4〜5の酸性、かつアルコールを含む液体であるため大腸菌他の病原菌は増殖することができません。実際、中世のヨーロッパではチフス等の伝染病が流行すると飲料水からの感染を防ぐため水の代わりにビールを飲んでいたとされています。
とはいえ、殺菌や衛生には気を抜かず徹底してください。
注意するポイントは:
- 醸造工程中、ビールが接する全ての容器・道具の殺菌を徹底する
- 発酵前のウォート(アルコールを含まないため、雑菌が増殖しやすい)を長時間放置しない
- イースト投入後、2日以内に発酵が始まらなかった場合は再加熱(80℃で10分以上)のうえイーストを再投入する
- できたビールの味がおかしい(酸味が強い・変な味や臭いがする・・・)場合は飲まない
Q001:初めはどの種類のビールから造ったら良い?
Q:ビールキットの種類が多すぎて、どの種類のビールを造ったら良いかわかりません。
(1999-10-10アドバンストブルーイングで自作した質問) (2004.01.03一部書き換え)
A:特に気に入ったスタイルのビールがあれば、そのスタイルのビールを造って構わないと思いますが、通常、初めはアンバー〜ダーク系のビールから始めることをお勧めします。
ビール造りは非常に奥の深い世界、いわゆる「職人技」的な、経験とノウハウ次第で味が左右される細かな要素が多数あります。具体的な例を挙げると、マッシング終了時に温度を上げすぎ渋みやえぐみがつく、イーストの扱いや殺菌方法が不慣れなためビールに雑菌が混じり酸味がでる、瓶詰め時のサイホンが不慣れなため空気を巻き込み酸化臭がつく・・・・これらの失敗は初めのうちはよくあることです。
これらの失敗で雑味・不快臭が仮についたとしてもアンバー・ダーク系のビールなら強いモルトテイストやホップの苦み・香りにマスキングされるため、淡色系のビールほどは目立ちません。比較的造りやすく、かつ、不具合の原因特定が容易なスタイル、と言えます。
ポーターやスタウトについては、
「雑味・不快臭が目立たない」観点からすれば、さらに造りやすいビール、ということになりますが、(これらのスタイルのビールを日常あまり飲んでいないとしたら)日常飲んでいるビールと違いが強すぎるため、出来映えの見きわめが困難になります。また、黒系麦芽の苦みと酸味が強いため、雑味・不快臭の見極めも困難です。
ドライホップやスパイス系のレシピ、Weizen等の小麦を多く使うレシピについては、
初めての醸造にはお勧めしません。仕込みの難易度は他のレシピと大差ありませんが、雑味・不快臭が発生した場合の原因の特定が難しくなります。
高度数のレシピについても、
初めての醸造にはお勧めしません。糖度の高いウォート中においては、イーストが活動しにくいため、発酵途中でのスタック(行き詰まり)が発生しやすくなります。
ラガーについても、
初めての醸造にはお勧めしません。ラガーイーストはエールに比べ脆弱なため、温度変化に弱い等、取り扱いが若干難しくなります。また、発酵〜熟成に時間がかかるため、瓶詰め後に炭酸が入らない等のトラブルも予想されます。ただ、サーモスタットを付けた冷蔵庫等、温度コントロール容易な設備や環境があれば、それほど難しいことはありません。
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