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初めて仕込まれるかたへ |
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初めてですが、道具は何を揃えたらよいでしょうか? よく質問されます。
高価なコックつき発酵容器をはじめから使う必要はありません。
清潔な食品用の容器であればどんなものでも発酵容器として使用することができます。
留意する点は、発酵中に炭酸ガスが発生するため、ガスが逃げる道を作ること。さらに、ガスが逃げる道がありながら、外部から雑菌が侵入しない構造であること、です。本文を参考に工夫してみてください。なお、例え発酵が止まったように見えても、容器を密閉すると破裂します。ご注意ください。
ビンやペットボトル
大きめのビンやペットボトルは手軽に発酵容器として使用することができます。
できれば透明な材質のほうが、発酵中の様子がよくわかり興味深いと思います。
写真はワインボトルでイチゴジュースにワインイーストを加え、発酵させているところです。ガスを逃がすためにエアーロックをセットしています。発酵中は液面に泡の層ができるため、容器2〜3割の余裕を残してウォート(ジュース)を入れてください。
余談ですがジュースでフルーツワインを作る場合は、最後まで発酵させず、発酵開始後、1日ほどで冷蔵庫に入れ発酵を止めるとアルコール度数1%未満、炭酸が効いた美味しいデザート飲料になります。イチゴ、ブルーベリー、リンゴ、ピーチ・・いろいろお試しください。なお、柑橘系の果汁は発酵後に嫌な味のみが残り美味しい飲料にはなりません。最後まで発酵させる場合は予め水で薄め度数1%未満になるよう調整してください。(ご注意:度数1%を超えるアルコール飲料を作ることは酒税法により禁止されています)
エアーロックの代わりにブローオフチューブを取り付けたものです。
ストッパー(穴を空けたゴム栓)と銅管、シリコンチューブを使っています。シリコンチューブの先端(発酵容器と反対側)は半分ほど水を入れたコップに挿しておきます。これによって、発酵により発生した炭酸ガスはチューブを伝って外に逃げることができると同時に、外部からは決して雑菌が侵入できません。仮に泡の層が大きく成長し溢れたとしても、チューブを伝ってコップの水の中に排出(ブローオフ)されます。
なお、ブローオフとして使うチューブは内径7mm以上のものを使ってください。細いチューブでは仮に泡の層がチューブ内にまで侵入した場合、チューブが詰まり容器が破裂する恐れがあります。
アルミホイルをビンの口に巻き付け、ぴったりと密着させる方法が最も簡単です。炭酸ガスが発生し内圧が上がると自然にアルミホイルが緩み、ガスの逃げ道が作られます。
食品保存用ラップを使う場合は、アルミホイルのようにぴったり封をするとガスの逃げ道がなくなります。ガスが少しずつ逃げる程度にゆるくラップし、ラップが外れないように輪ゴムで軽く止めておくのがよいと思います。
ポリ袋
圧口ポリ袋も発酵容器として利用することができます。
ウォートを入れ(入れる量は7割くらいにおさえてください)、袋の先端を輪ゴムで縛ります。このとき、袋を押さえてみて空気が少しずつ抜ける程度に緩く縛ることが重要です(きつく縛ると発生した炭酸ガスにより、ポリ袋が破裂します)。袋の縛り口から雑菌が入らないように、先端をアルミホイルでピッタリと覆います。念のため、この状態で袋を押さえてみて空気が少しずつ抜けることを確認してください。
ポリ袋にブローオフチューブを取り付けた例です。
ポリ袋の先端にチューブをはさみ、太めの輪ゴムできつく縛ります。発生した炭酸ガスはチューブを伝って水を入れたコップの中に排出されます。袋の縛り口から雑菌が入らないよう、アルミホイルでピッタリと覆います。
梅酒ビン
5リットル程度の少量仕込みでは、梅酒ビンをお勧めします。ガラス製のため清潔で発酵の様子が観察できます。写真では蓋を使わずアルミホイルで密閉しています。蓋に穴を開けエアーロックやブローオフチューブを取り付けることも可能です。
食品用密閉保存容器
蓋に穴をあけ、エアーロックやブローオフチューブを取り付けます。
こちらに、より詳しい記事があります。
アウトドア用ウオータータンク
写真では蛇口の先端にチューブをとりつけ、ブローオフとしています。
殺菌を確実におこなうため、蓋が大きく手を入れて洗浄しやすいことが重要です。
折り畳み式ウオータータンク
蛇口の先端にチューブをとりつけ、ブローオフとすることができます。
ペール缶
密閉できる蓋が付いている食品用ペール缶も発酵容器になります。「食品用」以外のものは有害物質が溶出する恐れがあるため使用できません。
プラスティックバケツ
海外homebrew shopで扱っている標準的な発酵容器(fermenter)です。シールタイプの温度計が貼り付けてあります。容器下部に蛇口が付いています。天面の蓋に穴があいており、ここにエアーロックを差し込みます。国内のプラスティックバケツを使用する場合は、「食品用」を使用してください。
Carboy(カーボイ)
狭口のガラス瓶、容量は約19リットルです。
写真ではエアーロックを取り付けています。
Carboyにブローオフチューブを取り付けた状態です。
銅管をストッパーに挿し、シリコンチューブで繋ぎます。
Carboyは重く滑りやすいため、写真の赤いハンドルが必需品です。
1gallon Jug
1ガロン(約3.9リットル)のガラス容器です。
国内ではフリーマーケットでたまに見かけます。
ラガー用スタータ容器としても重宝します。
シリンドロコニカル発酵容器
円柱と逆円錐形を組み合わせた形状の発酵容器です。
密閉したままで、澱をいつでも容器下部から澱を抜き取ることができる等、多くの利点があります。詳しくはこちらをご覧ください。
エアーロック/ブローオフチューブの取り付けかた
ブローオフチューブ
蓋に穴を開け、長さおよそ30mm、外径9.5mmの銅管に内径7mmのシリコンチューブを挿したものをはめ込みます。銅管の先端にブローオフ用のチューブを取り付けます。
エアーロック
上記同様、蓋に穴を開け、ストッパーをつけたエアーロックを差し込みます。
ストッパーがない場合は、
エアーロックの先端に内径7mmのシリコンチューブを被せ、差し込みます。
発酵の温度コントロール
アウトドア用レジャークーラーがホームセンターで比較的安価に入手できます。上記ポリ袋の発酵容器をこのクーラーの中に入れることで、真夏でも理想的な発酵温度を保つことができます。真夏にラガー発酵やラガーリング(低温熟成)、冬季の保温が手軽にできます。
温度調節ができないレジャークーラーを使う場合、熱帯魚用サーモスタットを利用することができます。一般的なものでは通常の20(15)℃〜30℃の設定、「設定温度以下に下がると電源ON」となりますが(保温用)、逆に「設定温度以上に上がると電源ON」となる仕様のものも売られています(冷却用)。サーモスタットの定格(ON/OFF可能な機器の最大ワット数)にご注意ください。
なお、保温のための熱源として、電気あんかを使うことができます。安全で使いやすく、比較的安価に入手できます。サーモスタットと組み合わせてお使いください。
2001.04.20掲載
水槽と熱帯魚のヒーターを利用した温度コントロールの実際例
大阪市 Y様 より、水槽を利用した温度コントロールについての写真と次のコメントをいただきました。
冬場は、水槽と熱帯魚のヒーターを使って仕込みました。
発酵が安定して結構美味しく出来あがりました。
冷蔵庫を利用した温度コントロールの実際例
千葉県市川市、 QZY03262@nifty.ne.jp (@を全角に置き換えています)さんより、食品ストッカー(密閉保存容器)を使った発酵容器と、冷蔵庫・サーモスタットを使った恒温発酵室についての詳細を寄稿していただきました。
非常に参考になりますので、そのまま掲載させていただきます。(記事中の電話番号や価格は寄稿いただいた時点=2000年9月=のものです)
発酵容器について
私の醸造単位は9-10Lが限界(単に鍋が19Lなので、All-grainだとこれが限界)なので、写真のような食品ストッカーを使っています。これだと、エアレーションのために揺するくらいなら蓋との隙間から液漏れすることもありません。一次発酵、二次発酵用として2つ購入し、1つの蓋にだけエアーロック用の穴を空けています。もう1つの蓋は、エアレーション用に使うため穴を空けていません。現在は、2つ共にSpigot(蛇口)を付けていますが、ラッキングはラッキングチューブを使ったほうがいいような感じです。ボトリングは明らかにSpigot経由のほうが楽です。注文したことはありませんが、取替え用のパッキンもあるようです。(ちなみに、写真のエールは気にしないで下さい。濁りまくってます。)
電子サーモ
写真は冷蔵庫を定温庫化するための調温器です。オムロンの電子サーモ(E5L-BX1:標準価格8800円)を使っています。この電子サーモには、センサ、温度メータ、温度設定器、本体がセットになっています(カタログを取り寄せると分かりますが、設定できる温度幅などに種類があります)。忘れてならないのは、本体を取り付けるソケットが別売(形PTF14A:755円)だということです。後は、ヒューズや電源端子などを買えば、半田付けの経験があるレベルで作れると思います。この電子サーモは、冷蔵庫に付けて外気より温度を下げるのにも、ヒーターとかを付けて温度を上げるのにも使えます。
購入時に付いてきた取扱説明書には、大した事は書かれてません。カタログの方が詳しい記述がありますので、お客様相談課からFAXで該当部分を送ってもらうのがいいと思います。
〜参考にしたホームページ〜
北の大地の燻製工房 http://www.ne.jp/asahi/hokkaido/kunsei
準備編のところに、温度管理について詳しい記述があります。燻製作りでも参考にさせていただいてます。
オムロン株式会社ホームページ :http://www.omron.co.jp/
窓口のリスト :http://www.omron.co.jp/ib-info/sales/local/aletter.htm
オンラインショップ :http://www.omron24.co.jp/index.html
私は、東京本社大崎オフィスお客様相談課(TEL 03-3493-7091)にTELし、カタログをFAXしてもらいました。とても親切な対応で驚きました。最終的には、ホームページ経由で注文しました(でも、どっかの店を経由して注文したほうが安いかも)。後日カタログまで送られてきました。
冷蔵庫(おまけ)
ビール用には、電子サーモのセンサを冷蔵庫内に入れ、冷蔵庫のコンセントをサーモに繋げば終わりです。この夏の経験でも、頻繁に電源がOnになることはありませんでした。私は中古の1ドア冷蔵庫をベランダにおいて使ってます。12Lサイズの食品ストッカーで作った発酵容器が丁度うまく入ります。なお、私の場合は製氷皿の部分が邪魔だったので、無理やり曲げて背面に押しやってます。失敗するとフロンが漏れると思いますので、あまりお勧めはしませんが。
この冷蔵庫は、燻製器としても活躍しております。中に電熱器を入れて電子サーモで温度コントロールすることにより、ベーコンなどの温燻が楽に作れます。電熱器を入れず、冷蔵の状態で燻製をすれば生ハムなどの冷薫が作れます。というか、作れるらしいです(面倒なので、経験なし)。冷蔵庫の外の箱からダクトを通して、薫煙を庫内に入れています(スモークウッド+スモークチップにより薫煙)。
実際に製作される場合のご注意:
・電熱器の配置や条件によっては電熱器の熱で内装が溶けることがあります。
・あくまでも自己責任のうえで、安全に留意して製作してください。
〜参考にしたホームページ〜
燻製の部屋 http://www.urban.ne.jp/home/pict/index2.html
燻製上級編のところに冷蔵庫スモーカーについて書かれています。
私が最初に作ったベーコンは、こちらのホームページを参考にさせていただきました。
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