美味しいラガーを仕込む(前編)

新年あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
年が明けて、随分冷え込んで参りました、。
せっかくのこの時期、
ラガーを仕込んでみてはいかがでしょうか?
ラガーはご存知のとおり、低温で発酵~熟成させますので、
冷蔵庫をサーモスタットで温度コントロールするような
温調設備をお持ちでない限り、この時期しか美味しく仕込む
事ができません。
エールの、華やかなフレイバーに対し、クリアでクリーン
なラガー。
ピルスナーなど淡色系のラガーはもちろんですが、
黒系のビールをラガーイーストで仕込むと驚くほどクリアで
スムース、
手作りのエールをいつも飲んでいると、
ラガーの、エールとは違った美味しさに少し感動したりします。
ラガーについて、少しおさらいです。
ご存知のとおり
常温で発酵させるエールに対し、
低温で発酵させるラガーは、クリアで、クリーンな特徴を持ちます。
その理由は、
イーストは(エールもラガーも)、発酵中に様々な香味成分を生成
しますが、温度が低いほど、雑な(よく言えば”華やかな”)香味
成分の生成が少なく、クリア/クリーンなフレイバーになります。
クリアでクリーンなフレイバーのビールを得るためには、
発酵温度をできるだけ下げたいところです。
ところが、
エールイーストは低温では活動(発酵)することができません。
それで、耐寒性をもつ(=低温でも発酵可能な)ラガーイーストを
使い、雑な香味成分の生成を抑えます。
これがラガーの大きな特徴です。
さらに、
低温熟成によって、このラガーの特徴をさらに際だたせます。
発酵終了直後のビールは、
イーストや不要タンパクその他の雑な物質が液中に浮遊したり
溶け込んでいますのでビールが見た目、濁っています。
見た目が濁っているビールは、フレイバーも濁っています。
これらの雑な物質はやがて沈殿してクリアなビールに
なりますが、温度を下げることでこの沈殿が加速されます。
発酵が終わったら
できるだけ低い温度に保つことで、
不要物質の沈殿が加速されてビールがどんどんクリアで
クリーンになっていきます。これがラガーリングです。
このように、
低温発酵と低温での熟成(ラガーリング)によって、
ラガーはラガーらしい、クリアでクリーンな特徴を
もたビールになります。
前編はここまで、
実際のラガーの仕込み方は後編で。

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