美味しいラガーを仕込む(後編)

さて、ここから実際の仕込みかたです。
【ラガー仕込みの道具】
通常のエール仕込みの道具と全く同じです。
ただ、
ラガーの発酵期間はエールの2倍ほどかかります。
その間、新たなビールの仕込みができません。
ポリ袋で発酵させる方法もお勧めです。
tmp_polybag.jpeg
http://advanced-brewing.com/0_equipment.html#poli_bag_ll
【ラガーのレシピ】
普段仕込んでいる普通の(エール系)のレシピで構いません。
イーストだけをラガーに替えてみます。
そのうほうがラガーとエールの対比がしやすいと思います。
ビールキットは、
淡色系でしたらブラックロックの「ピルスナーブロンド」や
「ドライラガー」、黒系でしたら「マイナーズスタウト」。
お好みでも構いません。
これら標準のキットに添付されているイーストは
エールイーストですのでこれをラガーに替えます。
ドライイーストでしたら
http://advanced-brewing.com/0_yeast.html#dry_yeast
Fermentisのs-23やw-34/70
S-23はラガーには珍しいフルーティなフレイバー、
w-34/70は本来のラガーらしいクリーンなフレイバーです。
本来のラガーらしさを味わうためには
w-34/70をお勧めします。
tmp_fermentis_saflager_w3470.jpeg
また、仕込みに慣れていらっしゃるかたは
リキッドイーストを使ってみてください。
様々な性質のラガーイーストを選ぶ事ができます。
1383865_572556039491912_1711334880_n.jpeg
http://advanced-brewing.com/0_liquid_yeast.html
イーストの量はエールの2倍かそれ以上、
ドライイーストの場合は
10L仕込みで1パッケージ以上、
17~19L仕込みでしたらが2パッケージ以上をお勧めします。
リキッドイーストの場合は
できるだけスターターを作って、活性の良いイーストを
多めに投入してください。
【ラガーの仕込み】
通常どおりにウォートをつくります。
ウォートの仕込みが終わったら発酵容器に移して、
ウォート温度を13~15℃くらいにして、イーストを投入します。
できるだけ早く温度を下げた方が、雑菌汚染リスクの減少や
不要成分の凝固沈殿によってウォートがクリアになる等の
効果があります。
発酵開始までは、
夜間13℃以下に下がるようでしたら保温して下さい。
保温する方法はこちらをご参照ください。
電気あんかを使うととても簡単です。
image001.jpg
http://advancedbrewing.sblo.jp/archives/20120112-1.html
発酵が始まるまでは、
できれば13~15℃をキープしてください。
発酵が始まるまで、エールよりも2倍ほどかかります。
泡もエールに比べると薄く、頼りない感じがします。
発酵が順調に始まったら温度を11℃くらいに下げます。
何度まで下げるかは、イースト個々の性質によりますので、
できればスペックを確認してください。
発酵がほぼ終わったら、
温度を15~20℃程度に上げて、2日程放置します。
これを「ダイアセチルレスト」と呼びますが、
ダイアセチルレストの目的は2つです。
1)未発酵糖分の発酵促進
2)オフフレイバーとされるダイアセチル(バター
スコッチのようなフレイバーです)の減少
ダイアセチルレストが終わったら
こんどは温度をできるだけ(10~0℃くらいまで)下げ
ます。温度が低いほど、ビール中を浮遊している
イーストや不要成分が早く沈殿します。
1~3日程おいて、
ビール全体がクリアになったら、澱引き=ラッキング=
沈殿した澱を除けて他の容器に移し替える=します。
この状態で一週間~一ヶ月程おいて、熟成させます。
いわゆる、ラガーリングです。
ラガーリングが終わったら
ボトリング容器にラッキング、プライミングして
瓶詰めします。
低温でラガーリングしたり、期間を長くとったりした場合は、
瓶に入るイーストの活性が低く、数も少ないため
瓶内発酵に時間がかかります。
このような場合は、ドライイーストの粒を数粒、瓶詰めの時に
瓶に直接加えるとよいです。
あとは炭酸が入るまで10~15℃くらいで、じっくりと寝かせます。
以上です
春先には驚くほどクリアで美味しいラガーができていると思います。
ぜひお試しください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です